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category:勉強方法
見つかる、キミの未来。中学校・高等学校 進学NEWS
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2022.04.01
実験と工作で楽しく学ぶ算数塾 12回目

これからの時代に必要な「活用できる算数力」を身につけるには

これからの時代に必要な力とはどのような力なのでしょう。

新しい学習指導要領には、「学校で学んだことが、子供たちの「生きる力」となって、明日に、そしてその先の人生につながってほしい。これからの社会が、どんなに変化して予測困難な時代になっても、自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、判断して行動し、それぞれに思い描く幸せを実現してほしい。」という願いが込められています。(文部科学省WEBサイト 学習指導要領「生きる力」より)

ところが国内外の学力調査の結果から、日本の子どもたちは「思考力・判断力・表現力」に課題があるという結果が出ていますので心配です。

<知識を活用してこそ発揮できる思考力・判断力・表現力>

考え、判断し、表現するという能力を発揮するには何が必要なのでしょうか。それは活用できる知識です。新しい指導要領には「活用できる知識・技能」という言葉がたくさん登場します。活用できる知識があるからこそ、考え、判断し、表現することができるのです。

知識の定義は色々とありますが、ここでは分かりやすく、学校で学ぶ教科の知識を考えてみましょう。学校で学ぶ知識というのは活用できる知識なのでしょうか。残念ながらそうではないということが学習科学の研究からも分かっています。

机に座って教科書を使い、一方的に教えられるという伝統的な授業スタイルから得られる知識は、たいていがすぐには使いにくいものです。それは私たち大人も感じていることではないでしょうか。

<活用できる知識を手に入れるには>

では、活用できる知識とはどのような知識なのでしょうか。それは、重要な概念を核にしてつながりあっている知識だということが、エキスパート(専門家)の頭の中を研究した結果から分かっています。

さらに本物に近い場面の中で学ぶことも重要です。算数の例を考えてみましょう。

<つながり合う知識はおうちで育つ>

「工作を楽しみながら算数を学ぶ効果」でもご紹介しましたが、人が新しいことを学ぶということは、空の器に知識を詰め込むわけではないことが分かっています。

子どもたちは普段の生活の中で何かしらの知恵や理論をいつの間にか身に付けています。それは楽しい思い出と関係するものだったり、自分で考えついた解釈だったり、学校で学んだことだったりと様々ですが、それぞれが身に付けているこの知恵や理論に、新しい知識を組み込んでいくことが「学ぶ」ということです。

そして、このようにつながり合った知識こそが活用できる知識になる可能性が高いことが分かっています。さらに、それらを物語(場面)の中で学ぶことで、より使える知識になります。ここでいう場面というのは、算数の文章問題のように子どもたちが実感しにくいものではなく、よりリアルな場面を指しています。

<おうちで算数を学ぶことが効果的なわけ>

算数について見てみると、日常の場面の中にたくさんの算数が見え隠れしています。「算数の壁の超え方 その2」でご紹介したように、「割合」は小学校の算数の壁の1つで、それと関連したものに「倍」がありますが、例えば「倍」も、楽しくポップコーンを作りながら計算して実感すれば、勉強とも思わないうちに学んでしまって使える知識になることでしょう。(「倍を使ってポップコーンを作ろう」

このような算数が使えるリアルな場面は、学校より家庭の中の方が断然多いと思います。


また低学年のお子さんであれば、楽しい工作の中で算数を使うことでも効果が期待できます。例えば「センチメートルとミリメートルのたし算をしてペン立てを作ろう!」では、ペン立てを作る中でいつの間にか長さのたし算をすることになります。

心理学者ジャン・ピアジェの思考発達段階説と照らし合わせても、小学生のうちは具体的に工作などをしながら算数を学ぶ方が理にかなっているのです。


これからの時代は、知識を身に付けることだけでなく、それを活用して課題を解決したり新しいことを創造したりすることが求められます。ご家庭で楽しみながら「活用できる知識」を育てていくことは、きっと子どもたちの「生きる力」を育てることになると思うのです。


【ご利用にあたって】

・本コラムの著作権は筆者である中牟田宴子が有しています。
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[中牟田 宴子]
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プロフィール : 中牟田 宴子(なかむた やすこ)

家庭教育研究家。

九州大学卒業。大学では認知心理学を専攻。

大学卒業後は大手メーカーでシステムエンジニアとしてプログラムの設計と開発を担当する。その後育児期間を経て現在は、認知心理学を基に数学と科学などのつながりを学べる「算数・数学塾」を企画運営しながら家庭教育を研究。子どもたちが不思議なものに出会って驚いたり感動したりする瞬間に立ち会えるのが幸せ。

2012年より5年間東京大学大学院工学系研究科で工学教育に関わった。

NPO法人センス・オブ・ワンダーの代表を務め、東京大学工学部や研究機関と共に子どものためのサイエンスカフェなどを企画開催。

認知心理学に基づくナカムタメソッドの研究開発を行い、算数とアート、理科などが融合したコンテンツの開発と普及を行っている。



家庭だから伸ばせる子どもの才能

「算数・数学塾」の企画・運営の中で発見したことや、二児の母として子どもを育てる上で実践してきた家庭学習のヒントとその成果などをつづったブログです。

https://sansu-sugau.hatenablog.com/



現在、さいたま市にて開校している「さんすう大好き!」が生まれる教室、 「算数・数学塾」のWEBサイト

http://sansusugaku.wixsite.com/home



NPO法人センス・オブ・ワンダーのブログ

http://sense-of-wonder-2008.cocolog-nifty.com/blog/

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