





中学受験をする?高校受験をする?親子で迷った時の選択するためのポイントは?
令和8年から高校生への就学支援の新制度が始まったことから、これまで公立校しか考えていなかったご家庭でも、私立校への進学が選択肢に上がることも多くなったのではないでしょうか。ただ、私立校や公立校問わず、様々な特色の学校があり、高校受験しか想定していなかったとしても、中高一貫校であれば、中学受験を目指す方が子どもにとってよいというケースもあるのです。今回は、中学受験にするべきか高校受験か選択するか迷った時に考えておくべきポイントをお話しします。
公立中学からの高校受験にも注意点がある
中学校までは公立校、その後高校受験という、一般的に「教育費を抑えられる」といわれる基本パターンの進学にも注意点があります。令和8年からは所得制限なく、高校の学費に対して支援が受けられます。ただし、その支援は学費に限られるという点が注意点となります。「高校の無償化」という表現がよく使われているため、高校は無料で進学できると誤解されやすいですが、部活のために練習試合や合宿など活動の多い高校を選んだ場合や、進級もしくは進学のために学校以外の教育費用がかかる場合には、いくら学費支援が受けられたとしても、家計が苦しくなるということもあります。塾や部活費用まで含めて教育費全額が「無料になる」という意味の制度ではありません。どうせ高校は無償化だから、と高校進学後の費用を確認しないのはお勧めしません。子どもの希望だけで受験校を決めるのではなく、学費以外にかかる費用とその後の進路のためにも、高校生が受けられるサポートの範囲は親子で確認し、自助努力が必要な範囲を知っておくべきです。新しい制度については文部科学省に詳細が掲載されています(出所:文部科学省「高校生等への修学支援」)。
①所得制限なし②支給上限額11万8800円(公立)、45万7200円(私立)の2点がポイントとなります。高校受験を予定している方は、授業料の支援による経済的ゆとりを、将来の進路に向けた貯蓄や、より充実した高校生活のために活用しましょう。
中学受験を検討するなら、事前の計画と準備が重要になる
中学受験を選択する場合には、教育費負担が想定よりも前倒しになると思ってください。中学受験の準備は専門的な指導を必要とするケースが多く、中学受験を目指すときには、小学校4年生から6年生の3年間、塾などの利用が一般的です。そのため、学校教育費以外に多くの費用がかかることを覚悟し、ライフプランを計画的に検討し、状況に応じて調整していくことが重要です。4年生からの中学受験準備に加え、進学後も継続的に教育費が発生するため、まとまった貯蓄期間の確保が難しくなります。小学校から中学校までの期間に学費の支援はされません。まとまった貯蓄期間の確保が難しくなるため、中学校進学後、いかに教育費をコントロールできるかを考えておく必要があります。お金がかかるのは当然とあきらめず、進学後は、学校の学習サポートや進路指導の活用により追加の費用を抑えられないか、将来の進路を見据えた費用をどのように準備していくかなど、家計の中で子どもの教育費に無理のないよう、具体的な見通しを持って計画を立てておく必要があります。中学受験は受験をして終わりではありません。受験後に想定した金額より多くかかったのであれば、その後に、家計をリバランスすることが必須となります。
子どもの教育費を貯めることをあきらめない
高等教育の就学支援など、子育て世帯への支援が充実してきたことで、教育費を貯蓄する意識が薄れた方もいらっしゃるかもしれません。そもそも、住宅資金と教育資金と老後資金は人生三大資金です。いずれも金額が大きく、急に資金を準備するということが困難で、長期的に計画を立てておくべき資金です。子どもの進路がまだ確定していない状況では、「教育費を貯め続ける」ことをあきらめないでください。中学受験を目指す場合、教育費が早期に発生します。そのため、お子様の将来の進路に向けた資金に影響がないか、また他の生活費に過度な負担が生じていないか、この機会に家計全体を見直しましょう。例えば、児童手当は振り込まれた世帯主の口座に入れたままになっている、住宅ローンの見直しや管理が夫婦それぞれで完結している、また生命保険や老後資金の準備について「どちらかが担当しているはずだが詳細は不明」といった状況があるご家庭は、今後の家計管理方法を中学受験か高校受験かの選択が決まったときに必ず見直しましょう。
インフレの影響を受けて、身近なお金の価値がどんどん変化しています。貯蓄は単に決まった金額を積み立てるだけではなく、資産運用を並行して行うことが不可欠です。特に、新NISA制度は子どもの教育資金準備にも活用できるため、積極的な検討をお勧めします。万が一家計が厳しくなった際に検討しうる手段としては、資産運用の見直しや追加投資、保護者の働き方の変更、あるいは外食費などの生活費の見直しが挙げられます。しかし、中学受験をするか、高校受験をするかの決断は、これらと比較しても家計に大きな影響を与えます。受験校を選定する際には、偏差値だけで判断するのではなく、ご家庭全体の教育費計画を総合的に考慮することが重要です。

- プロフィール : 當舎 緑(とうしゃ みどり)
-
社会保険労務士。行政書士。CFP®
一男二女の母。阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。得意テーマは、教育資金の準備方法、社会保険の仕組み、エンディングノートの作り方、これから始めるやさしい終活、成年後見の活用方法、銀行を介さない家族信託の仕組みなど。著書は、『3級FP過去問題集』(金融ブックス)『子どもにかけるお金の本』(主婦の友社)など。
子どもにかけるお金を考える会メンバー
http://childmoney.grupo.jp/
一般社団法人かながわFP生活相談センター理事
http://kanagawafpsoudan.jimdo.com/
J-FLEC認定アドバイザー
https://www.j-flec.go.jp/advisors/
ウーマンライフパートナー会員 Women Life Partner
https://wlp.or.jp/
- オフィシャルWebサイト
- http://tosha.grupo.jp/






