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2024.09.02

時計を読む準備から始めよう!

みなさんは時計が読めますか?「時計を読むのはむずかしい!」という声をよく聞きます。時計を読むというのは、ここでは時刻を読むことですが、実は時刻を読むまでの道のりは簡単ではないのです。準備をせずに進んでいくと途中で時計が嫌いになってしまうかもしれません。

ここでは「何時何分」を読むための準備の方法を紹介します。準備をして、さらにその先をおうちの人と進めていくと時刻が読めるようになります。ここでは時計を自分で動かしながら進めていくので、自由に動かせる時計を準備してください。まずは、時刻を読む準備のための道具を作ることから始めましょう。

<準備するもの>

・動いている時計 1個
 *見える位置にあればよいです。
・自由に動かせる時計 1個
 *電池を抜いて自由に動かせる時計や、「2つの時計で時間名人の第一歩!」を参考に作りましょう。
・折り紙 1枚
・はさみ   
・ペン   
・コンパス

<5とびの数を練習する道具を作ろう>

①円を十二等分します
折り紙にコンパスでできるだけ大きな円をかいて、はさみで切り取ります。この円を十二等分したいので、まずは円を半分に折り、それをさらに半分に折り、最後に三等分になるように折ります。これで十二等分した折り目がつきました。折り目のはしには、ペンで印をつけておきましょう。
202409-02b.jpg

②5とびの数を書きます
十二等分の折り目の横に、5から60までの5とびの数を書いていきます。
202409-02c.jpg

③切込みを入れて折りたたみます
60の横にある折り目にそって、中心まで切込みを入れます。折り紙の表面の折り目を全て谷折りにして折りたたんだら、円の道具の完成です。
202409-02d.jpg

それでは時計を読む準備を進めていきましょう。

<時刻を読む準備をしましょう>

①時計の動きを調べます
動いている時計を観察してみます。文字ばんには1から12までの数字と、長い針、短い針があります。もしかすると速く動く3本目の針もあるかもしれません。これは秒針といいますが今回は使いません。長い針は短い針よりも速く動いています。短い針は動いていないように見えますが、長い針が1周して12の場所に戻る時には次の数字まで動いています。

②ちょうどの時刻(1時、2時など)を読みます
202409-02e.jpg

長い針が12にある時は「分」のない「ちょうどの時刻」です。写真のように長い針が12にあって短い針が1にあれば、「ちょうど1時」です。長い針が12にあって短い針が2にあれば、「ちょうど2時」ですね。

③5とびの数を練習します
もう少し細かい時刻を読むために、道具を使って5とびの数を練習します。折りたたんだ円を1つずつ開きながら「5、10、15...」と言ってみましょう。60まで言えるようになったら次に進みましょう。

④文字ばんの数字と「分」の関係を調べます
時計の文字ばんの1や2が1分、2分だったら「分」を読むのは簡単だったのですが、そうではありません。文字ばんの数字が表すのは短い針で読む「時」です。
長い針が指す文字ばんの数字を「分」で読むためには、文字ばんの1を5分、2を10分、3を15分と読みかえなくてはいけません。練習した5とびの数の出番です。5とびの数を忘れてしまったら円の道具を使いましょう。60の数字を上にした時に、5や10がある場所は時計の文字ばんの1や2と重なるので「分」を読む時の助けになるはずです。

⑤5とびの数の時刻を読みます
202409-02f.jpg

長い針が12にない時は「分」を読みます。④で調べたように、文字ばんの「1、2、3...」は「5分、10分、15分...」を表しています。道具の助けも借りて、写真の時刻を読んでみましょう。
「1時50分」ですね。
長い針は10の場所にあるので、道具を使ったり、文字ばんを「5、10、15...」と読んでいったりすると50分だとわかります。
この時、短い針にも注目してみます。短い針は2に近づいてはいるけれど、まだ2にたどりついていません。あと10分でちょうど2時になるので2に近いところにはありますがまだ1時です。短い針はこのように動きます。

⑥5とびの数以外の「分」を読みます
202409-02g.jpg

写真の時刻はどのように読めばいいでしょう? 長い針は文字ばんの10を少し過ぎたところにあります。文字ばんの10が50分なのは調べたばかりなので、あと2分進めればよさそうですね。これは「1時52分」です。このようにして、細かい「分」を読む時には、5とびの数で文字ばんの数字が何分かを読み、そこからさらに文字ばんの細かいめもりを数えれば「分」を読むことができます。

今回は「何時何分」を読むまでの道のりを紹介しましたが、慣れてくると文字ばんの「1は5分」「2は10分」などは自然と覚えてしまうので読むのが簡単になります。特に「3が15分、6が30分、9が45分」を覚えると時刻を読む手がかりになります。楽しみながら時計が読めるようになってくださいね。

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[中牟田 宴子]
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プロフィール : 中牟田 宴子(なかむた やすこ)

家庭教育研究家。

九州大学卒業。大学では認知心理学を専攻。

大学卒業後は大手メーカーでシステムエンジニアとしてプログラムの設計と開発を担当する。その後育児期間を経て現在は、認知心理学を基に数学と科学などのつながりを学べる「算数・数学塾」を企画運営しながら家庭教育を研究。子どもたちが不思議なものに出会って驚いたり感動したりする瞬間に立ち会えるのが幸せ。

2012年より5年間東京大学大学院工学系研究科で工学教育に関わった。

NPO法人センス・オブ・ワンダーの代表を務め、東京大学工学部や研究機関と共に子どものためのサイエンスカフェなどを企画開催。

認知心理学に基づくナカムタメソッドの研究開発を行い、算数とアート、理科などが融合したコンテンツの開発と普及を行っている。



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