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category:進学費用
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2023.10.02

お小遣いのやりくりのために子どもに伝えていきたいこと

お金との付き合い方はご家庭によってさまざま。頑張って高収入を得られても、浪費が激しかったりすると、貯蓄もできずお金に困る事態になることもあるでしょう。

さて、金融情報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」をみてみると、単身世帯の金融資産の保有額は平均871万円。ただ、だれもがこれだけの貯蓄をできるわけではありません。平均額は少数の高額資産保有者によって引き上げられがちです。この調査でも、実際のところは約34.5%の世帯が「保有額0円」と回答しています。

子どものころからお小遣いのやりくりをしっかりとすることで、将来お金の使い方も上手になれます。今回は、中高生のお小遣いのやりくりについて考えてみましょう。

親子で一緒に決めたいお小遣いの金額。適性金額は?

親が子どもに渡すお小遣いの金額の決め方は実に様々です。学年や年齢に応じて決めたり、お手伝いの種類によって単価があったり、必要な都度、求められて金額を渡したりと、渡す方法や頻度もさまざまです。ですから、適正な金額はそれぞれのご家庭ごとにありますという回答になり、残念ながら正解はありません。

ただ、適正金額をもとめる具体的な方法をご紹介することはできます。まず、子どもにどれくらいの費用がかかっているのか、計算してみましょう。その都度渡している方は、いつのまにか総額が分からくなっていることもありますが、その場合には、1週間にいくらという形でお試し期間で区切ってみましょう。

うちの子どもは無駄使いばっかりで大きな金額をまかせられないという保護者の方もいらっしゃいますが、大切なのは、子どもが渡されたお小遣いでやりくりできるようになるというゴールです。一度や二度失敗はあるかもしれませんが、いつかはまかせないと、いつまでもできないままです。まずは、「予算」を決め、予算内で支出する経験ができる金額を親子で一緒に設定しましょう。

子どもにも将来の費用を意識させる

お小遣いの金額が決まったとしてもそれで安心はしないでください。たとえば予算を使い切ってしまうこともあるでしょうから、そんな時も余分には渡さないとあらかじめちゃんと伝えましょう。子どもは、映画や外食など、いつもと違う予定がある場合もありますから、いつも同じ金額が支出されるわけではありません。毎月決まった定額だけをお小遣いとして渡すというのも1つですが、大人のボーナスのように、お年玉などいつもより大きい金額も別で渡しておいて、定額で不足する時には、そこから支出してもらうことも決めておくといいでしょう。

お小遣いのやりくりができるようになってきたときに、さらに考えたいのは、将来の費用を意識させることです。私学助成や奨学金などをまずは考えず、どういう進路を進むとどんな費用がどのくらいかかるのか、子どもにかかる費用を本人に調べさせるのもいいでしょう。親が出せる金額にも限度があるということは、言わなければ子どもに気づいてもらえません。そもそも親子でお金のことをあけすけに話す機会も多くはないのではないでしょうか。「お肉や野菜が高くなった」、「電気代もすごく上がった」と言いながら、じゃあ実際いくらなのか、金額までは子どもにわかりません。

私は、ある大学で非常勤講師としてパーソナルファイナンスを教えており、その中で、国民年金の保険料について学生に質問をする機会がありましたが、保険料はいくらなのか、学生の納付特例を利用して払っていないのか、回答がすぐに出る学生は多くはありません。将来、社会人になることを想定して、生活にかかる費用についてすぐに金額がわかる、物価が把握できるようになる習慣を身につけさせたいものです。

どんな働き方をしたいのか?収入を得る方法は1つではない

2024年からNISAが変わります。NISAのように投資益が非課税になる制度というのは投資を始めるきっかけになるでしょう。子どもにとってはNISAって何?という認識が大半でしょうし、保護者としてもまだ子どものうちは投資は考える必要ない、と考える方もい多いかもしれません。しかし今は、運用することを意識しないと、貯蓄ができない時代になっています。たとえば定期預金に預けても金利は0.01%程度、円安で円の価値が下がり続ける状況では、働いて収入があったとしても、安心はできません。

勤務先の業績が悪化したり、病気になって働けなくなったりした場合、給与収入の道が閉ざされ、生活が厳しくなることもあるでしょう。給与以外に収入を得る方法として投資や副業などがありますが、そのように収入の選択肢を広げることを子どもは思いつきづらいかもしれません。そんな時のために親のやっている投資方法の結果を教えてあげたり、NISAで投資する商品を一緒に考えて利益率を計算してみるのもいいでしょう。

投資教育を受けている親の世代はまだあまりいませんので、始めるには親でさえ勇気がいることもあるでしょう。ただ、うまくいくことばかりではない、上がることも下がることもあると試行錯誤することで、投資力は着実に上がってくるはずです。投資を始める時には少額でも構いません。

中高生のお小遣いの話の中で、投資の話をするのは早いと思われる保護者の方もいるかもしれませんが、貯蓄する方法をちゃんと子どもに伝えることは必要なことです。将来社会人になってから失敗するのではなく、お小遣いですむ金額の間に失敗しながら、お金との付き合い方を学ばせたいものです。

[當舎 緑]
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プロフィール : 當舎 緑(とうしゃ みどり)

社会保険労務士。行政書士。CFP®

一男二女の母。阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。得意テーマは、教育資金の準備方法、社会保険の仕組み、エンディングノートの作り方、これから始めるやさしい終活、成年後見の活用方法、銀行を介さない家族信託の仕組みなど。著書は、『3級FP過去問題集』(金融ブックス)『子どもにかけるお金の本』(主婦の友社)など。

子どもにかけるお金を考える会メンバー

http://childmoney.grupo.jp/

一般社団法人かながわFP生活相談センター理事

http://kanagawafpsoudan.jimdo.com/

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