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category:進学費用
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2022.11.01

進学費用を貯められない人へのアドバイス~今やっておくべき3つの対策

家計の現状を理解する

物価値上げの影響を少しでも抑えるために、スーパーをはしごして10円でも安い食材を購入する、よく使うものはまとめ買いをする、レジャー費用を我慢するなど、普段の生活費の節約方法は人それぞれです。

ファイナンシャルプランナー(FP)としていえることは「無理せず継続できることが節約」だということです。中高生のいるご家庭では、食費や交通費など、そもそも節約が難しい項目が多いものです。それよりも、現状の家計をしっかりと把握するのを最優先にしてください。

必ず家計簿をつけるべきといっているわけではありません。例えば、給与や児童手当など収入が入る口座を一つにし、その中から、食費などの買い物、クレジットカードなどの引き落とし、水道光熱費などをまとめて出すようにし、一目瞭然にするのもいいでしょう。

最近は、クレジットカードや電子マネーなど簡単な支払いも多くなっていますが、キャッシュレスにするとついつい使いすぎてしまうことも多いはずです。何にいくら使ったのかわからないとならないようにしてください。

現状の家計を把握したうえで、貯蓄できる金額が計算できない、そもそも余らないということであれば、家計の見直しが必要です。原則は「先取り」が貯蓄のキホンです。


将来の進路にいくら? 目安を計算してみよう

中高生の子どもだと、将来何の道に進むのかはっきり決まっている子ばかりではないでしょう。それでも、例えば「理系」か「文系」か、もしくは国公立か私立か、大まかな方向性をたてることはできるでしょう。

大まかに分けていただきたいのは、
1.「理系」か「文系」か
2.「私立」か「国公立」か
3.「自宅」か「下宿」か
4.「2年」か「4年」か「6年」か
という分類です。

これが分類できれば、最終的に合計いくら必要かというおおよそが計算できます。進路別の総計については、日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査」から、高校から大学進学までの費用をみることができます(出所:https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_r03.pdf)。

教育資金が準備できなければ奨学金を利用すればいいと、最初から準備をあきらめているご家庭もありますが、奨学金は入学「後」に給付されるのはご存じでしょうか。入学前の受験生の時期には、1年間で塾代や受験費用など、一般的に100万円程度かかると見積もっておくべきです。これは大手予備校に通塾し、かつ一般受験する場合という仮定にはなりますが、保護者が全額支出すべき費用です。

ご家庭によって、学校で、あるいは兄弟に勉強を教えてもらえるので塾に行く必要はない、塾でなく通信教育にするなどによって多少の節約はできるでしょうが、受験そのものにかかる費用は、管理をしっかりしておかないとあっという間にふくれ上がります。

不足することが予想される場合には、子どもと話し合う

前段で見積もった教育費の合計が思ったよりも多い場合には、子どもと将来の方針について話し合ってみましょう。親子でお金の話をするというのは難しいですし、親として子どもにお金がないと言うのは心苦しい、そんな気持ちもあるでしょう。

ただ、あらかじめ「親が準備できるお金」を言っておけば、進路が変わる可能性もあります。「自宅を出て国公立大学に進学する」と考えていたのを「自宅から通える私立大学」に変更することも、必要となる教育費の合計金額を変える選択肢の一つです。

中高生といえばまだまだ子どもですが、インターネットで情報を集めることは親よりも上手かもしれません。あらかじめ「全部を出してあげることはできないかも」と言っておくことで、子どもが自分で情報を得て対策を考えてくれるかもしれません。学校で案内されるのは日本学生支援機構の奨学金が一般的ですが、その他にも大学独自の奨学金や、企業が経済的に厳しい学生の学びを支援するために給付する奨学金など、調べてみるとさまざまな奨学金が存在します。


このように、①家計の現状把握 ②将来必要となる教育資金を見積もる ③不足しそうな場合は子どもと話し合う、という3つの対策は、教育資金の準備のために「今」すぐできることです。まず、できることから始めてみましょう。

[當舎 緑]
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プロフィール : 當舎 緑(とうしゃ みどり)

社会保険労務士。行政書士。CFP®

一男二女の母。阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。得意テーマは、教育資金の準備方法、社会保険の仕組み、エンディングノートの作り方、これから始めるやさしい終活、成年後見の活用方法、銀行を介さない家族信託の仕組みなど。著書は、『3級FP過去問題集』(金融ブックス)『子どもにかけるお金の本』(主婦の友社)など。

子どもにかけるお金を考える会メンバー

http://childmoney.grupo.jp/

一般社団法人かながわFP生活相談センター理事

http://kanagawafpsoudan.jimdo.com/

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