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category:進学費用
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2022.08.01

進学費用、貯め方の基本~これから進学費用を用意しはじめるご家庭へ

子どもの進路は計画的に決めているか!?

小中学生のお子さんがいるご家庭で、「子どもの教育資金のための貯蓄がほとんどできていない!」と感じる方は要注意です。今貯められていないのであれば、今後はもっと教育費は貯められません。ここでしっかりと計画を立てておきたいものです。

①中学受験をさせて、6年後大学受験をさせる

②中学は公立で、公立高校を受験させ、3年後大学受験させる

③中学は公立で高校は私立も選択肢に入れるのか

④高校から高等専門学校など技術系の進学を考える

⑤大学に進学させる場合は、私立や自宅外も選択肢に入れるのか

など、子どもの進路について親として考えられる選択肢を挙げてみましょう。

想定もしくは希望で結構です。子どもの受験時期を確定させると、教育資金としてかかる金額がイメージできます。参考として、文部科学省の「子供の学習費調査(平成30年)」から学年別の学習費総額を抜粋してみました。中高6年間の合計を示しましたが、中学受験をする場合には、小学生の塾代だけでなく、その後の教育費負担も家計に重くのしかかることがわかるでしょう。


公立 私立
中学1年生 456,582円 1,624,661円
中学2年生 6,694円 26,435円
中学3年生 569,348円 1,362,389円
高校1年生 507,980円 1,160,016円
高校2年生 460,470円 893,127円
高校3年生 403,622円 851,087円
合計 2,834,185円 7,121,402円

これまでにいくら貯まったか振り返る

目標時期と金額が決まれば、次はこれまで貯まった金額との比較です。もし、児童手当や子どものお祝い金など子どものためのお金がちゃんと貯まっているということであれば、一旦、金額を確定させるため、子どもの口座に移し替えましょう。たとえば、児童手当を世帯主の口座に入れっぱなしであれば、約200万円貯まっているはずです。(注意:所得制限のないご家庭で、児童手当は3歳まで15,000円、3歳以降15歳まで10,000円が支給されたとした場合)

もし使ってしまったということであれば、今、子どもの口座に移し替えて、家計に影響がない金額を考えてみてください。移し替える金額に無理があれば、せっかく別に移し替えたはずの金額に手をつけてしまうかもしれませんから、まずは、近いうちに使う予定のない金額で、教育資金として準備できる金額を確定させることです。

前段で中高生の学習費を挙げてみましたが、高校生には、「就学援助」があります。私立に進学させたとしても、負担を軽減することは可能です。(参考:文部科学省「高校生等への修学支援」

ただ、家計で負担すべき教育費がなくなるわけではありませんので、今、家計と教育費をしっかりと分けておきましょう。

目標に向かってどの方法を取るのが効果的か

子どもの教育資金の準備方法については、ネットでさまざまな方法が検索できます。主なものとしては、①ジュニアNISA、②学資保険、③個人年金保険、④低解約返戻金終身保険などでしょうか。ただ、中学受験を考えているのであれば、上記のような方法ではかなり厳しい準備方法と言わざるを得ません。

そもそも学資保険などの保険商品で準備しようとすると、大学受験まではとても短い期間しかありませんので、効率的ではないでしょう。また、NISAなど投資商品も期間が短いこと、元本を保証する商品でないことはデメリットといえます。

受験時期をしっかりと決めたときに、「何年後」に「大学受験費用150万円を貯める」など具体的に決めてみましょう。教育資金の場合、子どもが大きくなっており時間を味方につけられないのであれば、楽な準備方法はありません。「家計から教育資金を分別する」「移し替えた口座と目標金額の差額を計算する」「何年でいくら貯めればいいのか考えて月額いくら貯めればいいか逆算する」という、オーソドックスな方法が一番役に立ちます。教育資金は決まった時期に決まった金額が準備できなければ役に立たないのですから。

[當舎 緑]
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プロフィール : 當舎 緑(とうしゃ みどり)

社会保険労務士。行政書士。CFP®

一男二女の母。阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。得意テーマは、教育資金の準備方法、社会保険の仕組み、エンディングノートの作り方、これから始めるやさしい終活、成年後見の活用方法、銀行を介さない家族信託の仕組みなど。著書は、『3級FP過去問題集』(金融ブックス)『子どもにかけるお金の本』(主婦の友社)など。

子どもにかけるお金を考える会メンバー

http://childmoney.grupo.jp/

一般社団法人かながわFP生活相談センター理事

http://kanagawafpsoudan.jimdo.com/

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