想定外だった塾や習い事、子どもがやりたいと言ったらどうする?
教育資金は学校にかかる費用だけではない
幼稚園から大学までこれくらいかかるという金額を見ることがあると思いますが、その金額もさまざまです。
例えばすべて公立であれば約700万円、すべて私立の場合は約2,200万円といった数字です。
(文部科学省が公表している「平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」と「平成30年度子供の学習費調査の結果について」から集計した概算)
すべてを公立、私立ということでもないと思いますので、実際のところはこの間の金額と考える方が多いと思います。
ところが、実際に子どもが生まれて成長してくると学校だけではなく、塾や習い事をやりたいと言われることがあります。
ピアノやバイオリンといった音楽だったり、テニス、ゴルフ、水泳などのスポーツということもあります。子どもによっては複数の習い事の場合もあります。
その子の将来の可能性を延ばすことでもあるので、親としては子どもがやりたいということは、できるだけやらせてあげたいと考えることでしょう。
しかし、学校にかかるお金だけを教育資金と考えていた場合は、想定していた以上の資金を使うことになってしまい不安になることがあります。
こんな時はどうしたらよいでしょうか?
想定外に備えて予備費を積み立てておく
子どもが小さいときから、あらかじめ多目的に使える予備費を計画的に積み立てていると、このような想定外の出費に対応できる場合があります。その額が月々1万円でも積み立てていた年数分は貯まっているので、数年は対応できる可能性があります。できる限り、予備費も含めて用意しておきたいところです。
教育費以外何も貯蓄していなかった場合
収入に余裕があり、習い事がプラスされても大丈夫なご家庭であれば問題ありませんが、現在の状況で精いっぱいという場合は、簡単にやらせてあげられないと思います。
お子さんに「本当にやりたいの?」と聞いたら、おそらく「やりたい!」と返事が来ると思います。その時は親の目から見て、子どもにその習い事が合っているか、やらせてあげるべきかを判断してあげることも必要になると思います。
そのうえでやらせてあげたいとなれば、教育資金を先払いするという選択もあるでしょう。大学等、将来的に必要な資金が不足するかもしれませんが、もしその習い事で大成してくれれば、それはそれで子どもにとって有効な教育資金の使い方となります。
また、不足した場合は奨学金や教育ローンを利用するという選択肢もあります。
もし、祖父母が援助してくれるのであれば、非課税で贈与してもらえる制度もあるので相談してみるのも良いと思います。
(参照:「祖父母から教育費の援助を受けるときに知っておきたい3つのポイント」)
実際、筆者も娘に習い事をせがまれいくつもやらせました。
ピアノ、水泳、英語、テニス、学習塾、そして声優養成学校。
特に声優養成学校は中学2年から高校2年まで4年間、授業料もかなり高額でした。学校卒業後、20歳頃に所属していた劇団を辞めて声優への夢はあきらめたようですが、中学生の時からやりたい夢があることは素晴らしい!と思い、何とか通わせたのです。
結局彼女の夢はかないませんでしたが、本人のためにはその時にチャレンジすることが必要だったと、今でも思っています。
お子さんが後で後悔することがないように、ぜひ一緒に考えてあげてくださいね。
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- プロフィール : 矢澤 理惠(やざわ りえ)
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株式会社オフィスヤザワ代表
CFP®
WAFP関東(女性FPの会)元理事
ファイナンシャル・プランナーを目指したきっかけは「知らないと損をする」ことを自分で実感したため。
祖父母の相続時に発生した「争続」、何の対策もしておらず2度も払った多額の相続税。
その時に「前もって知っている大切さ」に気づき、知っていると得をする、幸せになることが世の中にたくさんあるとお知らせするべく、個人相談、執筆を行うとともに、資産運用・ライフプランニング・相続セミナーを3本柱としてとして活動中。
■経歴
郵政省時代、東京都港区の特定郵便局に勤務。その後、横浜に転勤、半年後に民営化を控えた平成19年に退職し、独立系ファイナンシャル・プランナーに転身。FPのかたわら、自由が丘でローカーボCafé&Barの店長としてバーテンダーを務めた。
2018年7月車のパーツショップを、2019年10月には横浜市青葉区にてローカーボ(低糖質)のダイニングバーをオープン。
現在は3足のわらじを履いている。