





わくわくする算数で、苦手な気持ちは遠くへ!
みなさんは、算数を楽しいと思いますか? もしそう思えていないとしたら、それは算数が本来持っている面白さに出会う機会が少なかったからかもしれません。算数というと、計算をして答えを出す教科、きまりを覚えて問題を解く教科、というイメージを持つ人も多いと思います。もちろんそれも大切な一面ですが、それだけでは算数の本当の姿とは言えません。算数はもともと、世界のしくみを見つけるための学びです。私たちの身の回りには、数や形、時間や量などに関する『ふしぎ』があふれています。今回は、親子でわくわくする算数に出会って、算数をもっと好きになったり、苦手な気持ちを遠ざけたりする方法をご紹介します。
<算数のはじまり>
そもそも、算数はどのように生まれたのでしょうか。算数は、もともと人が生活する中で生まれてきたものです。物の数を数えたり、仲間と分けたり、土地の広さを測ったり、時間の流れをとらえたりする中で、「どうすればわかりやすく表せるだろう」と考えたことが始まりでした。算数は、はじめから教科として存在していたのではなく、人が世界を理解しようとする中で形づくられてきたものなのです。
<子どもたちが得意なこと>
子どもたちは本来、こうした現象から学ぶことが得意です。見て、触れて、試してみて、「どうしてだろう?」と考えます。そして、その中で少しずつ規則や関係に気づいていきます。この本来持った力に寄りそいながら、身の回りの出来事をいっしょに見つめ、考えていくことが、算数を楽しむ第一歩になります。
ところが、学ぶ場面ではその背景が見えにくくなってしまうことがあります。最初からルールや公式だけを学ぼうとすると、「何のためにやっているのか」が見えにくくなり、わくわくする気持ちは減っていきます。苦手な気持ちさえ生まれるかもしれません。では、どのようにすれば、算数をずっと楽しむことができるのでしょうか。
<体験から式へつなげる>
例えば式は、単に計算させるためのものではありません。考えたことをわかりやすく表すための言葉のようなものです。同じものをいくつか並べる場面を考えてみましょう。お皿の上にクッキーを並べながら、「3こずつ4皿分だね。」と言葉にしてみます。そのあとで、「全部で何こいるのかな?」といっしょに考えます。この考え方を文章で書くのはなかなか大変です。ここで初めて『3×4』というかけ算の式を登場させると、『式は簡単に書けるもの』であり、さらに『世界共通の言葉』として意味のあるものになります。「おいしそうだから1こだけ食べちゃった!」という事件も、『3×4-1』という式で記録することができますよね。
<話しながら考える>
正解にまるをつけることだけをゴールにせず、話しながら算数に取り組むのも、たくさんの発見がある良い方法です。教室の子どもたちは、「どうしてそんな解き方をするの?」「こうやって考えたほうが簡単じゃない?」と話していたかと思うと、出てきた答を見て、「こんなに速く歩けるわけないよね?」と大笑いしていたりします。算数を『自分の回りの世界を理解する方法』だと、自然に感じているのです。
<美しさやふしぎの中に算数を見つける>
さらに、日常の中には、算数につながる美しいものもたくさんあります。例えば、身の回りの模様や自然の中の形をよく見てみると、同じ形がくり返されていたり、一定の規則で並んでいたりすることに気づきます。葉っぱのつき方や花びらの並び方にも規則があるし、新しい葉っぱと成長した葉っぱには拡大と縮小の関係を見つけられるでしょう。貝がらの形なども、よく見るとふしぎな規則を持っています。
買い物の計算のような場面ではなかなか関心を持てない子どもでも、自然の中にある形や並びには、思わず引き込まれることがあります。このように、意味のある場面や興味のある対象から学ぶことは、世界でも大切にされている方法です。算数は、本来わくわくするものであふれています。そのわくわくに出会うことができれば、苦手にならないための特別な工夫がなくても、算数に向き合う力が自然と育っていくことでしょう。

- プロフィール : 中牟田 宴子(Nakamuta Yasuko)
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家庭教育研究家。
九州大学卒業。大学では認知心理学を専攻。
大学卒業後は大手メーカーでシステムエンジニアとしてプログラムの設計と開発を担当する。その後育児期間を経て現在は、認知心理学を基に数学と科学などのつながりを学べる「算数・数学塾」を企画運営しながら家庭教育を研究。子どもたちが不思議なものに出会って驚いたり感動したりする瞬間に立ち会えるのが幸せ。
2012年より5年間東京大学大学院工学系研究科で工学教育に関わった。
NPO法人センス・オブ・ワンダーの代表を務め、東京大学工学部や研究機関と共に子どものためのサイエンスカフェなどを企画開催。
認知心理学に基づくナカムタメソッドの研究開発を行い、算数とアート、理科などが融合したコンテンツの開発と普及を行っている。
Instagram
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「算数・数学塾」のWEBサイト
現在、さいたま市にて開校している「さんすう大好き!」が生まれる教室
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