





コンパス遊びで球のかざりを作ろう!
みなさんは、コンパスを使ったことはありますか? コンパスでかいた円は、切って集めると球を作ることができます。球というのは、ボールのような丸い形です。今回は、コンパスで円をかいて、ゆらゆらゆれるかわいい球を作ります。作っているうちに発見もあるので、楽しみながら円や球のことをもっと知りましょう。
<準備するもの>
| ・折り紙 | 6枚(3色以上 / 球2個分) |
| ・紙ストロー | 1本 |
| ・ひも(かざりをつるすため) | 20cm |
| ・コンパス | |
| ・定規 | |
| ・はさみ | |
| ・液体のり |
<コンパスを使ってみよう>
コンパスは、2000年以上前の古代ギリシャの数学者たちがすでに使っていたことが分かっています。その頃は、今のような金属ではなく2本の木の棒をつないだだけの簡単な道具でした。コンパスを使うと、中心からいつも同じきょりのところにしるしをつけることができます。回したときにえがかれる線はすべて中心から同じきょりになっていて、これが円の正体です。まん丸の円がかけるのは、コンパスが「同じきょり」を守ったままかくことができるからなのですね。
まず、コンパスで円をかくときに大切なのは、針をしっかりと固定することです。針がふらふらしてしまうと、円がゆがんでしまいます。かたいものの上でかくとすべって針が動くので、したじきなどははずしましょう。次に、コンパスの持ち方です。もしうまく回せないとしたら、つまみの部分が細くてすべりやすいからかもしれません。そんな時は、つまみに輪ゴムを巻いて少し太くすると、指に力が入りやすくなり回しやすくなります。針を立ててつまみを持ち、ゆっくり回してみましょう。最初はむずかしいかもしれませんが、コツをつかむと円が気持ちよくかけるようになります。
<かざりを作ろう>
円をたくさん切って、球のかざりを作りましょう。
① 円をかきます
外側に折り紙の裏側がくるように折り紙を2回折って、4分の1の大きさの正方形にします。次に、直径が6センチメートルの円をかきますが、さて、コンパスのはばは何センチメートルに開くといいでしょう? ヒントは、コンパスを開くはばは、かきたい円の直径の半分です。そして、これを半径といいます。3枚の折り紙を、同じように折って円をかきましょう。
② 円を切って折ります
1枚の折り紙から4個の円が切り取れます。折り紙は3枚あるので、全部で12枚の円ができました。この円を、色がついた方が内側にくるように半分に折ります。12個全ての円を半分に折ってください。12個の半円ができました。
③半円をはり合わせます
12個の半円を重ねて、折り目側をのりではり合わせます。ちょうど本の背表紙のようになります。この時に、ひもをはさみこんで、のりではりつけておきます。この部分だけは、半円の折り紙ではさんでくっつけておくと、外れにくくなります。
④球の形に整えます
のりがかわいたら、少し観察してみましょう。ぺたんとつぶれた状態のままだと円ですね。そして、のりではり合わせた部分は直径です。そっと広げて形を球に整えましょう。球の中にも円と直径が見つけられますか? 仕上げに、紙ストローを1センチメートルに切って、ひもの付け根まで通します。ぶら下げられる、球のかざりの完成です。つかう折り紙がそれぞれちがう色だときれいに作ることができます。
<長さが半分の円と球の観察>
2つ目の球は、直径を半分にしてみましょう。さっきの円の直径は6センチメートルだったので、今度は直径が3センチメートルの円をかきます。コンパスのはばを、何センチメートルに開けばいいのかは考えてみてくださいね。
この小さな円も、3色の折り紙でそれぞれ4枚ずつ、合計12枚切り取ります。ここで、切り取った直径が3センチメートルの円と、6センチメートルの円をくらべてみましょう。直径の長さは、3センチメートルと6センチメートルで2倍になっています。でも切り取った円は、2倍よりも大きいように見えます。実は、円の大きさは4倍になっていて、さらに球の形に整えると8倍の大きさに感じるのです。ふしぎですよね。
小さな円も、さっきと同じ方法で作っていくと、小さなかわいい球のかざりになります。最初の形が円ではないものも作ってみると、おもしろいかざりができますよ。楽しんでくださいね。

- プロフィール : 中牟田 宴子(なかむた やすこ)
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家庭教育研究家。
九州大学卒業。大学では認知心理学を専攻。
大学卒業後は大手メーカーでシステムエンジニアとしてプログラムの設計と開発を担当する。その後育児期間を経て現在は、認知心理学を基に数学と科学などのつながりを学べる「算数・数学塾」を企画運営しながら家庭教育を研究。子どもたちが不思議なものに出会って驚いたり感動したりする瞬間に立ち会えるのが幸せ。
2012年より5年間東京大学大学院工学系研究科で工学教育に関わった。
NPO法人センス・オブ・ワンダーの代表を務め、東京大学工学部や研究機関と共に子どものためのサイエンスカフェなどを企画開催。
認知心理学に基づくナカムタメソッドの研究開発を行い、算数とアート、理科などが融合したコンテンツの開発と普及を行っている。
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