





直角三角形のひみつの比を実験しよう!
みなさんは、直角三角形のひみつを知っていますか?私たちの世界には重力もあって、この世界では直角には大切な意味があります。そして、直角三角形の形の中には、特別な比がかくれています。たとえば辺の長さが「3:4:5」の三角形を作ると、いつも直角ができます。これはぐうぜんではなく、この比が特別だからなのです。今回は、古代エジプトの人たちが直角三角形を役立てていた話から始まって、比と直角の関係や図形の美しさについて、工作をしながらひみつを見つけていきましょう。前半の工作と実験の<辺の長さが「3:4:5」の三角形を作ろう>は、低学年のみなさんも楽しむことができる工作なので、ぜひ挑戦してみてください。
<準備するもの>
・色画用紙(A3) 1枚以上 *好きな色を何枚でも
・定規
・分度器
・はさみ
・のり
<古代エジプトの人たちが大切にした直角三角形>
今から5000年くらい前に、ナイル川のそばで暮らす人たちがいました。ナイル川は毎年はんらんして、畑の境はすっかり流されてしまいます。どこまでが自分の畑かわからなくなるので、はんらんが収まったあとには「縄張り師」と呼ばれる測量士が呼ばれました。測量士は、結び目をつけた縄を使って、土地を測り直します。いったい、どうやって正確に測ったのでしょう? 実は、古代エジプトの人たちは、縄に付けた「3:4:5」の長さを使うと正確な直角ができることを知っていたのです。今のような道具のない時代に、人々は比の力を使って美しい直角をかいていたのですね。
<辺の長さが「3:4:5」の三角形を作ろう>
辺の長さを「3:4:5」にすると、本当に直角ができるのでしょうか? その答えをいっしょに確かめてみましょう。紙を使って三角形を作ると、比と三角形のふしぎな関係が見えてきます。
①紙テープを準備します
色画用紙を2センチメートルのはばに切りはなして、紙テープを作ります。これからの工作は全てこの紙テープを使います。

②三角形を組み立てます
紙テープのはしから3センチメートル、4センチメートル、5センチメートルのところにしるしをつけ、さらにのりしろとして1センチメートルとったところで切ります。しるしのところで折ってのりしろではりあわせ、三角形に組み立てましょう。辺の長さが3センチメートル、4センチメートル、5センチメートル、つまり「3:4:5」の三角形ができました。

③直角を確認します
分度器を使って、直角ができているかどうかを調べます。辺の長さが「3:4:5」の三角形には直角ができていました。辺の長さを「3:4:5」にすると直角三角形になるなんて、ふしぎですね。
<三角形を大きくする方法を考えよう>
次に、この直角三角形を大きくしてみましょう。全ての辺を5センチメートルずつ長くするとどうなるでしょう?
①それぞれの辺を5センチメートルずつ長くします
辺の長さを計算すると、それぞれ「3+5=8」、「4+5=9」、「5+5=10」になります。紙テープのはしから8センチメートル、9センチメートル、10センチメートルのところにしるしをつけて、さらにのりしろとして1センチメートルとったところで切り、三角形に組み立てましょう。

②観察します
さっきの直角三角形とくらべてみると、大きさだけでなく形も変わってしまい、直角はできませんでした。辺の比が「8:9:10」とちがうものになったので、形の性質も変わってしまったのです。それぞれの辺の長さを同じだけ長くしても、元の三角形と同じ性質の三角形はできないことがわかりました。
③辺の長さを2倍にします
次は、比を変えないように、全ての辺の長さを2倍にしてみましょう。「3×2=6」、「4×2=8」、「5×2=10」になります。「6:8:10」は簡単な比に直すと「3:4:5」になり、同じ比だということがわかります。紙テープのはしから6センチメートル、8センチメートル、10センチメートルのところにしるしをつけ、のりしろを1センチメートルとって切ります。しるしのところで折って、三角形に組み立てます。

④観察します
今度は同じ形の直角三角形ができました。辺の比を変えなければ、同じ性質の三角形ができることがわかりました。
<比を変えずに大きさを変えよう!>
例えば3つの辺の長さ全てを1.5倍や2.5倍にしても比は変わりません。比を変えなければ同じ形の直角三角形ができるので、色々と作って実験してみてください。作った三角形を同じ向きに重ねてみると、全ての角がぴったり合って美しい形が生まれます。そして直角を利用して立てた形は、重力に逆らわずに立つことができるのでたおれにくいのです。比という数の関係が図形の中にきまりを生み出して、私たちの生きている世界で役に立つことがわかります。他にもいろいろな発見があるので、ひみつを調べてくださいね。

- プロフィール : 中牟田 宴子(なかむた やすこ)
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家庭教育研究家。
九州大学卒業。大学では認知心理学を専攻。
大学卒業後は大手メーカーでシステムエンジニアとしてプログラムの設計と開発を担当する。その後育児期間を経て現在は、認知心理学を基に数学と科学などのつながりを学べる「算数・数学塾」を企画運営しながら家庭教育を研究。子どもたちが不思議なものに出会って驚いたり感動したりする瞬間に立ち会えるのが幸せ。
2012年より5年間東京大学大学院工学系研究科で工学教育に関わった。
NPO法人センス・オブ・ワンダーの代表を務め、東京大学工学部や研究機関と共に子どものためのサイエンスカフェなどを企画開催。
認知心理学に基づくナカムタメソッドの研究開発を行い、算数とアート、理科などが融合したコンテンツの開発と普及を行っている。
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現在、さいたま市にて開校している「さんすう大好き!」が生まれる教室
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https://www.homeedulab.com/






