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category:勉強方法
見つかる、キミの未来。中学校・高等学校 進学NEWS
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2023.02.01

場面の中で学ぶ算数

小学校では、たし算、ひき算、かけ算、わり算という4つ演算を学びます。
演算を学ぶということはどういうことなのでしょう。

例えば、たし算を学ぶ時には何をどこまで学んだらよいのでしょう。演算を学ぶゴールは主に2つあります。
1つは演算をスムーズに行って計算の結果を出せること。もう1つは学校やおうちの中の場面で演算を利用できることです。



計算結果が出せるかどうかについては、計算問題を時間を計って解くことで速さや正確さを調べることができます。

同じたし算でも、学年が上がれば数が大きくなったり小数や分数が出てきたりと難易度も上がってきますが、苦手な「型」の計算を集中して練習するなどで計算力をアップすることができます。

ここでは詳しくご紹介はしませんが、計算は桁数やくり上がりの位置、回数などで型分けをして練習すると、認知的処理能力を段階的に高めることができて効果的です。



また、場面の中で演算が使えるかどうかについては、本来は実際に学校やおうちの中の場面で使ってみるとよいのですが、文章題などを解くことでも調べることもできます。

ただし、文章題によってはあまり現実的ではない場面設定もあるため、文章題を解くことをゴールにすることはテスト対策にはなっても、現実の場面の中で算数が使えるようになるとは限らないということも知っておく必要があるでしょう。

海外では、より現実的な場面設定がなされている文章題も多く、さらに文章ではなく動画で場面が提示される場合もあります。

いずれにしても、何のために算数を学んでいるのかは見失わないでいたいところです。



例えば、学習指導要領ではたし算が使える5つの場面として「増加」「合併」「順序数を含む加法」「求大」「異種のものの数量を含む加法」が提示されています。

この中でも日常生活でよく見かける場面は、「ふえるといくつ(増加)」や「あわせていくつ(合併)」でしょう。

これらは見かけたタイミングで算数と結び付けてあげれば、知らず知らずのうちにたし算を使う場面を身に付けることができます。おやつを配る時や工作の材料を準備する時などは絶好のチャンスです。



「ふえるといくつ」や「あわせていくつ」が問われる場面では、基本的には同じ種類のものをたし算します。

「私はあめを3個持っています。お母さんが2個くれました。私はあめを全部で何個持っているでしょう。」という文章題は「ふえるといくつ」の場面ですが、3個も2個もどちらもあめの量を表しています。

ところが、たし算が使える場面には異種のものが登場することがあり、これが学習指導要領でも提示されている「異種のものの数量を含む加法」です。1年生の終わりに登場するこの場面は、子どもたちにはなかなか難易度が高いようで、とまどう様子をよく目撃します。

大人はつい「図をかいてみたら?」とか「絵を描いてみて!」とアドバイスしたくなるかもしれませんが、低学年のうちは、文章題を読み取って絵を描くということ自体がなかなかハードルが高く、図を描くとなればますますハードルは上がります。文章を理解して必要な情報だけ取り出し、描きやすいようにデフォルメするというのは、認知ステップとしてもかなり高度なのです。

では、どのようにして文章題の場面を理解するサポートをするのがよいかというと、具体的にものを使うことをお勧めしています。



<異種のものの数量を含むたし算のサポート>

「3人のこどもが椅子に座っています。椅子はあと2個あります。椅子は全部で何個あるでしょう。」

この文章題には子どもと椅子という異種のものが登場します。椅子を自由に使える状況であれば、実際に椅子を使って考えるのもよいでしょう。

椅子が使えない場合は、折り紙で椅子と人を作って考えるのも良い方法です。折り紙を折るのが大変であれば、ブロックを椅子、ゼムクリップを人に見立てるなど、様々な方法がありそうですね。

実際にものを見てみると答えはすぐにわかります。「3+2=5」で椅子は5個ということになります。

この方法は、いわば「ごっこ遊び」になるのですが、子どもたちはとても楽しんでくれます。子どもたちの想像力は素晴らしく、与えられた問題を考えるだけでなく、新しい問題を作る子どもまで現れます。

このようなバーチャルワールドで学ぶ方法は効果があることが研究で分かっていますから、積極的に取り入れると遊びの中で算数が学べるでしょう。

とはいえ、算数を学ぶ目的は、現実の場面で算数を利用できるようになることです。文章題を解くことをゴールにせずにおうちやお出かけ先で一緒に楽しむのがお勧めです。ぜひ親子で楽しんで下さい。

折り紙の椅子と人

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#おうち学習 , #たし算 , #中牟田宴子 , #低学年 , #演算
[中牟田 宴子]
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プロフィール : 中牟田 宴子(なかむた やすこ)

家庭教育研究家。

九州大学卒業。大学では認知心理学を専攻。

大学卒業後は大手メーカーでシステムエンジニアとしてプログラムの設計と開発を担当する。その後育児期間を経て現在は、認知心理学を基に数学と科学などのつながりを学べる「算数・数学塾」を企画運営しながら家庭教育を研究。子どもたちが不思議なものに出会って驚いたり感動したりする瞬間に立ち会えるのが幸せ。

2012年より5年間東京大学大学院工学系研究科で工学教育に関わった。

NPO法人センス・オブ・ワンダーの代表を務め、東京大学工学部や研究機関と共に子どものためのサイエンスカフェなどを企画開催。

認知心理学に基づくナカムタメソッドの研究開発を行い、算数とアート、理科などが融合したコンテンツの開発と普及を行っている。



家庭だから伸ばせる子どもの才能

「算数・数学塾」の企画・運営の中で発見したことや、二児の母として子どもを育てる上で実践してきた家庭学習のヒントとその成果などをつづったブログです。

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現在、さいたま市にて開校している「さんすう大好き!」が生まれる教室、 「算数・数学塾」のWEBサイト

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