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category:勉強方法
見つかる、キミの未来。中学校・高等学校 進学NEWS
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2022.07.01
実験と工作で楽しく学ぶ算数塾 15回目

ニュートンの運動法則から始める夏休み自由研究

みなさんは夏休みの自由研究は好きですか? 楽しそうだけど、どうやって始めたらいいかわからない人もいることでしょう。

昨年は「不思議!から始める夏休み自由研究」で、最初に不思議なこと見つけて研究をしていく方法をご紹介しました。今年は、いだいな科学者が見つけた法則をきっかけに、研究する方法をご紹介します。この、いだいな科学者というのは、アイザック・ニュートンです。

<準備するもの>

・ゴム風船 1個
・紙ストロー(13cm) 2本
・曲がるプラスチックストロー(曲がったところからは10cm) 1本
・紙コップ 4個
・工作用紙 1枚
・画用紙 1枚
・シダーボール(直径2cm) 11個
 *ホームセンターや百円ショップでたんすのしょうしゅう用として売られています
・折り紙 車体をかざる場合に2、3枚
・はさみ
・木工用ボンド
・セロハンテープ
・ビニールテープ
・両面テープ
・カッターナイフ

<自由研究の始め方>

自由研究は、新しく不思議なことを見つけてから始めなければいけないというわけではないのです。いだいな科学者が見つけた法則を知って、それを確めたり、よりよい利用の仕方を考えたりするのもまた研究です。

例えば研究者は、昔から今までの間に研究で分かったことをたくさん調べて、その上で新しく思いついたアイデアについて実験などをしながら研究していきます。

<ニュートンの運動法則>

イギリスの科学者、アイザック・ニュートンは天文学や物理学などでたくさんの発見や発明をしましたが、その中に3つの運動法則の発見があります。慣性の法則、運動の法則、作用反作用の法則です。ここでは運動の第3法則といわれる作用反作用の法則を使ってみて、さらに新しい疑問を見つけてみましょう。

<重さのあるものを後ろに投げて前に進む飛行機>

飛行機が前に進む力を推力といいますが、この推力はどのようにして生まれるのでしょう? この仕組みには作用反作用の法則が関係しています。

何かに力を加えると、同時にそれとは全く反対の方向へ同じ大きさの力が働くことが分かっています。これを作用反作用の法則といいます。

例えばつるつるすべるスケートリンクの上でボールを持ち、そのボールを前に投げるとします。その時同時に、ボールに加えた力と同じ力が自分自身に働いて体は後ろにすべっていきます。

飛行機はこの仕組みを利用して前に進んでいます。空の上でまさかボールを投げるわけにはいきませんから、例えばジェット機では、勢いよくガスや空気を後ろに出すことでその反対向きの力を同時に生み出して前に進みます。プロペラ機の場合は空気を後ろ向きにプロペラで送って前に進む力を生み出しています。このような仕組みはロケットが飛ぶ仕組みとも同じです。

<作用反作用の法則を実験する工作>

作用反作用の法則を実験するために工作をしましょう。簡単な車を作って実験します。


①車体を作ります

工作用紙を写真のように切り、点線の通りにカッターナイフで軽く折り筋をつけます。黒い丸の部分には穴を開けます。紙ストローを通しますので、紙ストローの直径よりも穴の直径を2ミリメートルくらい長くしておきます。

車体になるパーツを用意する

穴を開ける場合は、一穴パンチなどを少しずつずらしながら何度も開けていくと思った大きさの穴をきれいに開けることができます。カッターナイフは危ないのでおうちのかたといっしょに使ってください。


②組み立てます

セロハンテープでつなぎ目をはりあわせて組み立てます。


車体を組み立てる

③車輪を作ります

紙コップを底から5ミリメートルのところで切り離します。底の部分が車輪になります。真ん中に米印のような切込みを入れます。

車輪と軸を作る時のコツは、車輪部分はしっかり動かないようにとめて、軸と車体の穴の関係は、回転できるようにゆるくしておくことです。そのために車体の穴はストローよりも少し大きめなのです。


車輪を作る

④車輪を作って取り付けます

紙ストローの両はしに5ミリメートルの長さの切り込みをそれぞれ4、5本入れます。車輪の穴を整えて紙ストローを通します。紙ストローの切り込みを入れた部分を外側に折って開きセロハンテープなどで車体にはりつけます。1つの車輪がついたところで紙ストローを車体に通し、反対側の車輪も取り付けます。同じようにもう1組の車輪も車体に取りつけて下さい。


車輪を取り付ける

⑤実験用のスロープを作ります

車体の写真の位置にシダーボールを両面テープなどではりつけます。スロープは工作用紙切って作り、点線には折りすじをつけておきます。


車体にスロープを作る

⑥スロープを取り付けます

はしの1センチメートルは折り返して、車体に木工用ボンドではりつけます。車体をかざりたい場合は、はりつける前に折り紙などでかざってくださいね。


車体にスロープを取り付ける

⑦実験用のおもりを作ります

1個~4個のシダーボールをそれぞれ画用紙で円柱状に包みおもりを作ります。こうすることで転がしやすくなります。


実験用のおもり

さて、おもりが1個の時には包まなくていいでしょうか? いえいえ1個の時にも包まなくてはいけません。なぜなら、実験する時には調べたいこと以外は同じ条件にしなくてはいけないからです。

<実験しよう>

重りを車のスロープの上からそっと転がしてみてください。

1個のおもりの時には車はほとんど動きませんね。2個、3個となるとどうでしょうか? 車が動き始めました。これが作用反作用の法則です。

ニュートンの運動の第2法則(運動の法則)では、重さがあるほうが大きな力を生み出すことが分かっています。そしてその分反作用も大きくなるのです。また、スロープの角度を変えてみると結果は変わるのでしょうか?

<もっと長く動かしてみよう>

おもりを転がすだけでは車はすぐに止まってしまいます。車を長く動かすにはどうしたらよいでしょう? そのためには作用反作用が長く続くように工夫すればよさそうです。風船から空気を出し続けてみるのはどうでしょうか?

プラスチックのストローの曲がっていない方にビニールテープで風船を取り付けます。曲がった部分がスロープから出るようにセロハンテープなどではりつけましょう。ストローの曲がった部分から空気を入れて風船をふくらませ、手をはなすとどうなるでしょう?


風船をつけた車

車の重さや形を変えると結果が変わるでしょうか? 坂道も登れるでしょうか? 挑戦してみたいことがたくさん思い浮かびますね。夏休みの自由研究を楽しんでください。


【ご利用にあたって】

・本コラムの著作権は筆者である中牟田宴子が有しています。
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[中牟田 宴子]
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プロフィール : 中牟田 宴子(なかむた やすこ)

家庭教育研究家。

九州大学卒業。大学では認知心理学を専攻。

大学卒業後は大手メーカーでシステムエンジニアとしてプログラムの設計と開発を担当する。その後育児期間を経て現在は、認知心理学を基に数学と科学などのつながりを学べる「算数・数学塾」を企画運営しながら家庭教育を研究。子どもたちが不思議なものに出会って驚いたり感動したりする瞬間に立ち会えるのが幸せ。

2012年より5年間東京大学大学院工学系研究科で工学教育に関わった。

NPO法人センス・オブ・ワンダーの代表を務め、東京大学工学部や研究機関と共に子どものためのサイエンスカフェなどを企画開催。

認知心理学に基づくナカムタメソッドの研究開発を行い、算数とアート、理科などが融合したコンテンツの開発と普及を行っている。



家庭だから伸ばせる子どもの才能

「算数・数学塾」の企画・運営の中で発見したことや、二児の母として子どもを育てる上で実践してきた家庭学習のヒントとその成果などをつづったブログです。

https://sansu-sugau.hatenablog.com/



現在、さいたま市にて開校している「さんすう大好き!」が生まれる教室、 「算数・数学塾」のWEBサイト

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NPO法人センス・オブ・ワンダーのブログ

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