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category:勉強方法
見つかる、キミの未来。中学校・高等学校 進学NEWS
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2021.07.02
実験と工作で楽しく学ぶ算数塾 4回目

「不思議!」から始める夏休みの自由研究

みなさんは自由研究をしたことがありますか? 自由研究をやってはみたいけれど、どのように進めたらいいのか分からないという人も多いと思います。今回は、球の形の氷を観察してたくさんの不思議を見つけ、その不思議を研究につなげていく方法をご紹介します。簡単でおどろきのある実験ですのでぜひ試してみてください。

<準備するもの>

・ゴム風船 1個以上
・一円玉、十円玉、百円玉 各1枚
・はさみ
・ボウルなど
・細目のじゃぐち(ない場合は水を入れたペットボトル)

<事前準備(前日までに準備しておきます)>

①風船に水を入れます

ゴム風船にじゃぐちから水を入れて風船の口を結びます。細目のじゃぐちがない場合は、ペットボトルに水を入れてそこから風船に入れることができます。風船が直径10センチメートルくらいになるよう入れてください。


②こおらせます

水を入れた風船を冷凍庫に入れます。だいたい一晩でこおります。

<氷を観察します>

①氷を取り出します

はさみで風船を破って中の氷を取り出しボウルに入れます

ボウルに入れた氷

②観察します

氷を観察してみましょう。何が見えますか? どんなことが起こっていますか?

氷を観察する

③外側はとうめいで内側は白っぽい

氷を観察してみると、外側はとうめいで内側は白っぽくなっています。この白いものは何でしょう。水の中にある不純物と関係しています。ぜひ調べてみて、それが本当なのかどうかは実験で確かめてみて下さい。何ごとも自分で確かめることは大切です。


④自然にとけていく様子の観察

観察している間にも氷はどんどんとけていきます。どの場所も同じようにとけているでしょうか? ボウルに接している下の部分はどうでしょうか?


⑤不思議や疑問の見つけ方

よく知っているつもりの氷でも、じっくり観察すると不思議なことや疑問がたくさん出てきます。その疑問を整理して、調べたり専門家に聞いてみたりして下さい。もしかすると、まだ誰も気づいていない大発見があるかもしれません。
世の中には、みなさんが思っているよりもずっとたくさんのわかっていないことがあります。不思議なことや疑問を見つけられることは、人間が持つ大切な力です。この大切な力を大人になるとなくしてしまいそうになります。どうかみなさんはいつまでも持っていてくださいね。

<さらにとかしてみます>

①指で触ってみます

氷を指で触ってみましょう。触っているところがとけて、氷から水に変わっていくのがわかります。しばらくすると指が冷たくなりますね。これは指の熱が氷に移動してしまったからです。


②指以外のもので触ってみます

指ではなく、こう貨を使って触ってみましょう。一円玉、十円玉、百円玉を使います。
まずは百円玉を持って氷にさすように触ってみましょう。百円玉はとがってはいませんが、少しずつ氷に穴が開いていくのがわかります。これは百円玉が氷をとかしているからです。

百円玉を氷にさす

とかすためには熱が必要ですが、その熱はどこからきているのでしょう? それはみなさんの指からです。指の熱が百円玉に伝わって氷をとかしているのです。
次に十円玉と一円玉も順番に氷にさしてみましょう。結果はここには書きませんが、おどろく体験ができるのでぜひ実験してみて下さい。ささったこう貨には、しばらくすると小さな水てきがついてきます。この水てきはどこからきたのでしょう? たったこれだけの実験でも不思議なことがいっぱいですね。

<調べたいこと以外は同じ条件にする>

こう貨は種類によってちがう材料で作られています。こう貨で氷をとかす実験をしてみると、こう貨の材料のちがいによって氷のとけ方がちがうようでした。本当に材料によるちがいがあるのでしょうか? あるとしたらどのくらいちがいがあるのでしょうか? 調べてみるにはどうすればよいでしょう?
ここで大切なことは、調べたいこと以外は同じ条件にするということです。いま調べたいのは材料による氷のとけ方のちがいなので、それ以外のことは同じにします。例えば、こう貨を氷にさす時間は10秒と決めるもの良いですね。部屋の温度も計っておいて、同じ温度の中で実験をしましょう。

<結果を数で表す>

どのくらいのちがいがあるのかを調べるためには、どのくらい氷をとかしたかを数で表さなくてはいけません。どうすればよいでしょう? 結果を数で表すのは思ったよりも難しいことです。写真を見ると百円玉がささっていた場所には大きな穴ができていました。

百円玉がささっていたところにできた穴

例えば、穴の深さを測るというのも1つの方法です。他にも方法はありますので考えてみてください。研究者はいつもこのようなことを考えながら実験をしています。

<結果について考える>

結果が数で表せたら、こう貨の材料によって氷のとけ方がちがう原因について考えます。何がとけ方を変えているのでしょう。指の熱を多く伝えられる材料が氷を多くとかしそうですね。熱伝導率という言葉が1つのヒントになるでしょう。ですが、このヒントだけが答えにつながるとは限りませんので、色々と考えてみてください。

今回は、氷を観察して不思議を見つけることから、氷をとかす実験までを紹介しました。材料によって熱の伝わり方がちがうことがわかると色んなことに役立ちます。例えば熱い飲み物が入ったコップを持つのに、木のコップと湯のみではどちらだと手が熱くならないでしょうか? また、熱が伝わりやすいというのは、熱が逃げていきやすいということでもあります。熱い飲み物の熱を逃がさず、熱いままにしたい場合はどのコップがいいでしょうか? たくさんの疑問が生まれてきますね。色々と実験をして調べてみて下さい。


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・本コラムの著作権は筆者である中牟田宴子が有しています。
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[中牟田 宴子]
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プロフィール : 中牟田 宴子(なかむた やすこ)

家庭教育研究家。

九州大学卒業。大学では認知心理学を専攻。

大学卒業後は大手メーカーでシステムエンジニアとしてプログラムの設計と開発を担当する。その後育児期間を経て現在は、認知心理学を基に数学と科学などのつながりを学べる「算数・数学塾」を企画運営しながら家庭教育を研究。子どもたちが不思議なものに出会って驚いたり感動したりする瞬間に立ち会えるのが幸せ。

2012年より5年間東京大学大学院工学系研究科で工学教育に関わった。

NPO法人センス・オブ・ワンダーの代表を務め、東京大学工学部や研究機関と共に子どものためのサイエンスカフェなどを企画開催。

認知心理学に基づくナカムタメソッドの研究開発を行い、算数とアート、理科などが融合したコンテンツの開発と普及を行っている。



家庭だから伸ばせる子どもの才能

「算数・数学塾」の企画・運営の中で発見したことや、二児の母として子どもを育てる上で実践してきた家庭学習のヒントとその成果などをつづったブログです。

https://sansu-sugau.hatenablog.com/



現在、さいたま市にて開校している「さんすう大好き!」が生まれる教室、 「算数・数学塾」のWEBサイト

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NPO法人センス・オブ・ワンダーのブログ

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