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category:進学費用
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2025.09.01

高校受験(中学生)にかかる塾代はいくら?
全国平均額と塾の形式ごとに目安を解説

中学生になると、小学生と比較して学習内容が格段に難しくなってきます。親が勉強を教えようとしても、ついケンカになってしまうこともあるかもしれません。高校受験のことを考えると、そろそろ塾に通わせた方がいいのかな、と悩む方も多いのではないかと思います。その際に不安になるのが、費用についてではないでしょうか。この記事では中学生の塾代について、学年ごとの全国平均額および塾の形式ごとに、おおよそいくら必要になるか解説いたします。

中学生の補助学習費の全国平均額とは

文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」の「表6:学年別補助学習費」から、補助学習費の1年間の平均額について、学年別に見てみましょう。補助学習費とは、学校外で学校教育に関係する学習(予習や復習など)をするために要した費用のことです。学習塾以外にも、ある程度費用がかかっていますので、まずは全体像をとらえてみましょう。

【補助学習費の内容】
①家庭内学習費:家庭の中での学習に使用する物品・図書の購入費
②通信教育・家庭教師費:通信教育や家庭教師の指導を受けるために要した月謝及び教材費
③学習塾代:学習塾に通うため支出した費用
④その他:自習のための図書館への交通費など

202509-0102.png 202509-0103.png

公立中学3年生の学習塾代が最も高い

補助学習費の総額は、公立中学校3年間の平均額を合計すると約81万円、私立中学3年間では約71万円となっています。その中で、一番割合が大きいのは、やはり「学習塾」です。公立中学校3年間を合計すると688,505円、私立中学校は505,348円となっています。学年別では、公立中学3年生の340,918円が最も高額となっています。これは、私立は中高一貫校である場合が多く、一般的には受験なしで高校に進学しますが、公立中学から高校への進学は受験が必須だからだと考えられます。ただし、この金額には学習塾に通っていない「0円」の方も含まれています。

出典: 調査結果の概要

実際にかかる中学生の学習塾代とは

では次に、実際に「学習塾」に支払いをしている人のデータを抽出してみます。こちらは文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」より「3学年(年齢)別、所在市町村の人口規模(学科)別の学習費支出状況(3)中学校」のデータを活用しています。

表の「支出率」とは「学習塾代」を実際に支出した人の割合です。公立中学に通う生徒は1年生52.7%で約2人に1人ですが、3年生になると78.4%、なんと約8割になっています。一方、私立中学の生徒は、3年間おおよそ2人に1人の割合で学習塾に支払いをしています。

支払者平均額は、公立・私立ともに学年が上がるごとに金額が増えていきます。最高額は公立中学3年生の1年間で43.5万円です。前述の学習塾に支払いをしていない人も含めた、公立中学3年生の平均額は1年間で34.1万円でしたので、約10万円の差が生じています。そして、学習塾への支払者の平均額を3年間合計すると、公立・私立ともに約100万円となっています。つまり、早い学年から、塾に通わせると決断した場合は、しっかりと資金を用意しなくてはならないことが分かります。

202509-0104.png 出典: 子供の学習費調査 / 令和5年度 子供の学習費調査 3 学年(年齢)別,所在市町村の人口規模(学科)別の学習費支出状況(文部科学省)

受験対策塾の種類と金額

中学生が学習塾に通う目的は、主に2つ「学校の授業についていけない(補習)」か「学力を伸ばしたい(予習・応用)」です。また、お子さんの性格によって、集団で授業を受ける塾か、個別に指導してもらう塾か、選択する必要があるでしょう。さらに駅前にある大手の学習塾チェーン、または地域に根ざした個人経営塾などがあります。費用はそれぞれですが、ここでは筆者が各塾のHP等で確認した費用(主に東京都内)を、一例としてお伝えします。

毎月の月謝の目安

①駅前の大手集団塾
レベル別でコースが分かれています。標準的なコースですと、中学1年生・2年生では週2回で月2万5千円から3万円程度で、年間30万円強となるでしょう。中学3年生は週3回で4万円から5万円程度で、年間では55万円位となります。なお、難関高校受験コースは中学3年生では週4回以上になる塾もあり、さらに金額が上がります。

②駅前の大手個別指導塾(生徒1から3人程度)
中学1年生・2年生では週2回・1回60分で月3万円から3万5千円程度、1年間では40万円位です。中学3年生は週3回・1回80分で月6万円程度となるので、年間では70万円強が予想されます。集団塾よりおおよそ月額にして1万円程度、高くなるイメージです。先生1人に対し1人の完全個別となると、さらに高額になる可能性があります。

③地元の小規模塾
大手よりも広告費が少なく、駅前のビルではないため、安価な傾向にあります。ただし、見つけるのが難しく、口コミなどが頼りとなります。1教科月9千円から1万円程度、3教科で月2万7千円から3万円程度、5教科では月4万5千円から5万円が目安です。個別指導の場合は、この金額よりも多くなるでしょう。

その他の費用の目安

塾にかかる費用は、月謝だけではありません。入会金、教材費、模試の受験料、夏期・冬期等の講習会の費用等が必要です。例えば、筆者の娘が通った塾では、夏期講習会は中学1・2年生の時は3教科・10日間で10万円、中学3年生の時は5教科・20日間で20万円となりました。なお、受講する教科の数や日数によって費用は大きく変化します。受験が近づいてくると、ついあれもこれも追加しなければと焦り、無理をしてしまうこともあるかもしれませんので、限度額を決めておくことがおすすめです。

総額いくらまでかけられるか検討を

中学生の塾代は、全国平均(塾に支払いをしている方)は、年間約30万円から40万円で、月額に換算すると2.5万円から3.3万円です。そして学年が上がるごとに金額は増えていきます。夏期講習会などの季節講習の金額は、選択によっては高額になる可能性があります。私立高校受験は3教科、国公立高校は5教科受験することが一般的です。第一志望が難関レベルの国公立高校であれば、より塾代がかさむこともあるため、中学3年生の1年間で100万円かかることもありえるでしょう。高校卒業後の進学を希望している場合は、平行して将来の進学資金についても考えておく必要があるため、中学生の塾代として、いくらまで支払うことが可能なのかしっかり検討しましょう。また、想定以上にかかりそうな場合は、教育費以外で節約する、または収入を増やすなど、早めに行動することをおすすめします。

[山内 真由美]
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プロフィール : 山内 真由美(やまうち まゆみ)

ファイナンシャルプランナー(CFP®・1級FP技能士) 国家資格キャリアコンサルタント

中学生の双子の母。ファイナンシャルプランナー資格を取得後、都市銀行の支店にて個人向けに資産運用の案内を担当。現在は、東京都内の自治体にてひとり親のための家計相談、高校の保護者会にて奨学金や教育ローンの活用方法について講演している。また資産運用に関するWeb記事の執筆およびムック本の監修を担当。著書は『FPママの親と子で学ぶお金のABC・13歳からのマネーレッスン本』(河出書房新社)



J-FLEC (金融経済教育推進機構)認定アドバイザー

https://www.j-flec.go.jp/advisors/

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