公立と私立の違いと学校の選び方
学費
まず、一番気になる学費です。
統計を見てもわかりますが、私立は公立高校の倍以上かかります。私立の高校へ行くのは、大学に進学した時と同じくらい学費が必要と考えておく方がよさそうです。
ただし、2020年4月の制度改正から高校授業料無償化(高等学校等就学支援金制度)により、一定の所得要件を満たす世帯の場合は公立だけでなく、私立高校の授業料も実質無料となる場合もあります。該当するかによって、学校選びの枠が広がる可能性もあるので確認してみましょう。
学校の施設・設備
私立の設備は学費が高いだけに充実しています。それぞれの学校の理念や方針に沿って自由に設計できるから、と考えられます。
いっぽう公立は県立や都立、市立など地方自治体が運営しており施設面ではどこも同じような造りとなっています。最低限の設備は備えられているので、日常を過ごすには問題ないレベルです。
選ぶときのポイント
私立の学費が準備できるか、というところから必然的に進路が決まる場合もありますが、どんな学校でも子どものためであれば進学させたいと考える親御さんもいらっしゃると思います。その場合は学校の理念、校風などを確認したうえで、お子さんと一緒に気になる学校を見学されることをおすすめします。
行ってみると、Webやパンフレット等から得られる情報だけではわからなかったことや雰囲気がわかり、実際に学ぶ場所として本人に合っているかの参考になることも多いと思います。
また、駅から学校までの距離、道のりなどもわかり通学の様子もわかるようになります。首都圏では公立、私立のどちらも高校は坂の上にある学校が多いですね。その坂道をお子さんと一緒に歩くことで、「これなら体力がつきそう」とか「この通学路はきつすぎるかな」などと話し合うことも出来るでしょう。毎日通う通学がきつくて学校に行きたくない、などとならないように見極めることも大事です。
私立高校の場合、学校によってカリキュラムが違います。それぞれ特色があるのでお子さんの個性や将来進みたい方向に合ったカリキュラムの学校を選ぶことも必要でしょう。
立地、理念・校風、カリキュラム等を確認したうえで、最終的に公立に行くか、私立に進学するかを決めるようにしてはいかがでしょうか。
進学先については思いがけない展開も考えておく
公立を志望していても、私立に行かざるを得ない場合も想定されます。
実は筆者の場合もこのパターンでした。
10年前、息子が滑り止めで受けた私立に受かり、県立高校に行けなかったためそのまま私立に進学したのです。公立高校に行くはずだったのに思いがけず私立に行くことになり、大学のための資金を前倒しで使ってしまって、そのあとの教育資金に苦労しました。
ただ、実際に進学してみてわかったのですが、勉強に対してとても手厚い対応の学校でした。塾に行くことを考えれば、学校内で補習がありしっかり勉強を見てもらえる私立高校はそれなりの価値があるんだな、と思ったものです。
お子さんが自分でしっかり進路を考えるのであればそれに寄り添い、どうしてよいかわからない場合は親子で学校を見て回って進学先を一緒に選び、悔いのない高校生活が送れるようにしてあげたいものですね。
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- プロフィール : 矢澤 理惠(やざわ りえ)
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株式会社オフィスヤザワ代表
CFP®
WAFP関東(女性FPの会)元理事
ファイナンシャル・プランナーを目指したきっかけは「知らないと損をする」ことを自分で実感したため。
祖父母の相続時に発生した「争続」、何の対策もしておらず2度も払った多額の相続税。
その時に「前もって知っている大切さ」に気づき、知っていると得をする、幸せになることが世の中にたくさんあるとお知らせするべく、個人相談、執筆を行うとともに、資産運用・ライフプランニング・相続セミナーを3本柱としてとして活動中。
■経歴
郵政省時代、東京都港区の特定郵便局に勤務。その後、横浜に転勤、半年後に民営化を控えた平成19年に退職し、独立系ファイナンシャル・プランナーに転身。FPのかたわら、自由が丘でローカーボCafé&Barの店長としてバーテンダーを務めた。
2018年7月車のパーツショップを、2019年10月には横浜市青葉区にてローカーボ(低糖質)のダイニングバーをオープン。
現在は3足のわらじを履いている。