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category:勉強方法
見つかる、キミの未来。中学校・高等学校 進学NEWS
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2024.05.01

親が苦手でも、親子で算数を楽しむ方法

皆さんは算数を楽しいと思いますか?もし楽しいと思えていないなら、それはこれまでに出会った算数が、きまりを暗記して問題を解くだけのもので、何につながっているのかを知る機会がなかったからかもしれません。「算数という教科で高得点を取る」ということと「算数を楽しむ」ということは同じ場合もありますが違う場合もあります。認知科学や学習科学の理論や、2人の息子たちと一緒に算数を楽しんだ経験から、「算数を楽しむ」方法をご紹介します。算数を楽しむために、算数が楽しくない理由も探ってみましょう。

計算が苦手だと楽しむ余裕がなくなる

算数を楽しくないと思う理由の1つに、計算が苦手とか面倒ということがあります。著名な数学者でも計算が苦手な人がいるという話は聞いたことがあるかもしれません。計算力と数の概念を理解する力とは別のものですが、日本の場合は大学受験でも電卓は使えない場合がほとんどですから、長期間にわたって計算力も試され続けます。数の概念の理解が天才的でも、計算ができないばかりに本人は算数が苦手だと思い込む可能性もあります。そうなると算数は楽しいものではなくなるでしょう。そうならないためにも、計算を得意にさせることは「算数は楽しくない」と思わせない方法の1つと言えそうです。

計算の基礎は1年生のたし算やひき算にあります。厳密には、数と量が一致する感覚を持ったり、位取りの感覚を持ったりすることも重要なのですが、基礎計算の暗記も効果があります。基礎計算とは、10までのたし算やひき算、かけ算九九だけでなく、くり上がりのたし算やくり下がりのひき算なども含まれます。カードなどを作って親子で競争しながら覚えると遊び感覚で覚えられます。さらに、筆算を使わなくてもできる計算はなるべく筆算を使わずに計算することで速くなります。計算が速く正確になれば、問題の中で計算する時の苦痛が減るだけでなく、じっくり考える時間ができて楽しめることでしょう。

決められたことを覚えるたけでは楽しめない

もう1つの理由は、算数は既に決められたことを覚えて使うだけだと思っていることかもしれません。暗記して使うだけであれば、ほとんど挑戦性がありません。また単なる暗記の知識は応用がしにくいため複雑性にも出会えません。この挑戦性や複雑性というのは、人の好奇心を刺激するということが研究でわかっています。1日が24時間だということや、1リットルが1000ミリリットルだということ、平行四辺形の面積の公式などを、単に覚えて使って問題を解くだけが算数だと思うならば、楽しくないでしょう。

例えば1日は24時間ですが「なぜ24なんだろう?」と疑問に思う気持ちは大切です。24というのは中途半端な数に見えるかもしれませんが、12を2つ合わせたものです。古代の人々は太陽の動きを見ながら時を感じて日時計を作り、明るい時間と暗い時間をそれぞれ12にわけたと言われています。人々は、月の満ち欠けの繰り返しから12という数を大切にしていたのです。はるか昔の人々の知恵が今も受け継がれていることは驚きですし、算数を越えて地球や月や太陽など、様々なことに興味がわくことでしょう。単に決められたことを暗記する算数ではなくなります。

1リットルが1000ミリリットルであることも、単なる暗記ではなく「ミリ」が1000分の1を表す接頭語だと知れば「ミリメートル」や「ミリグラム」という同じ「ミリ」がつく単位を考える時のヒントになります。平行四辺形の面積の計算も、公式の丸暗記ではなく、平行四辺形からうまく直角三角形を切り取って反対側にくっつけると、「底辺×高さ」で面積が計算できる四角形になることを知っていれば、例え平行四辺形の面積の公式を忘れてしまっても、自分で導き出すことができます。他の図形の面積を計算する時にも何か良い方法がひらめきそうです。

このように算数を楽しいと思うには、計算でつまずかないことも大切ですし、算数で学ぶことに疑問を持って親子で考えてみることも大切です。「なぜたし算は"+"の記号を使うの?」とか「どうして10でくり上がるの?」とか「1リットルってどうやって決めたの?」など、大人はもう疑問にも感じないようなことをお子さんたちは不思議に思っているはずです。その不思議によりそって一緒に世界を広げていくと、算数から広がる世界が見えてきます。不思議に思う気持ちを大切に、親子で算数を楽しんでくださいね。

[中牟田 宴子]
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プロフィール : 中牟田 宴子(なかむた やすこ)

家庭教育研究家。

九州大学卒業。大学では認知心理学を専攻。

大学卒業後は大手メーカーでシステムエンジニアとしてプログラムの設計と開発を担当する。その後育児期間を経て現在は、認知心理学を基に数学と科学などのつながりを学べる「算数・数学塾」を企画運営しながら家庭教育を研究。子どもたちが不思議なものに出会って驚いたり感動したりする瞬間に立ち会えるのが幸せ。

2012年より5年間東京大学大学院工学系研究科で工学教育に関わった。

NPO法人センス・オブ・ワンダーの代表を務め、東京大学工学部や研究機関と共に子どものためのサイエンスカフェなどを企画開催。

認知心理学に基づくナカムタメソッドの研究開発を行い、算数とアート、理科などが融合したコンテンツの開発と普及を行っている。



家庭だから伸ばせる子どもの才能

「算数・数学塾」の企画・運営の中で発見したことや、二児の母として子どもを育てる上で実践してきた家庭学習のヒントとその成果などをつづったブログです。

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現在、さいたま市にて開校している「さんすう大好き!」が生まれる教室、 「算数・数学塾」のWEBサイト

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