直角の森のパズルで角度を体験しよう!
教科書やノートの角(かど)のような形を直角といいますが、直角が何かはなかなかぴんとこないかもしれません。小学校の算数ではあまり登場しない直角ですが、この直角を知っておくことで他の角度も想像しやすくなります。
単に机の上で問題が解けるだけでは現実の場面では使えませんから、今回は森ができあがる直角のパズルを作って、角の大きさにも親しみましょう。
<準備するもの>
・折り紙(緑色系) 4枚
・工作用紙(底辺6cm、高さ6cmの直角二等辺三角形) 4枚
・折り紙(好きな色を2色) 各1枚
・はさみ
・のり
・定規
・分度器
<直角の数と角度の関係について>
直角は角度でいうと90度です。ということは、2直角は直角2個分なので180度、3直角は270度、4直角は360度になりますね。さらに、2直角は180度で直線になることや、4直角では中心のすき間を全て埋めることができることも知っておくと役に立ちます。
一緒に工作をして直角の実験してみましょう。
<直角を利用して森のパズルを作ろう>
直角三角形の土台の上に木を作って直角の実験をしてみましょう。
①折り紙を切ります
折り紙を三角に折って半分に切り、さらに白い面が表になるように三角に折ります。1枚の折り紙から2個のパーツができます。
②切れ目を入れます
折ってできた直角二等辺三角形のしゃ辺(ななめになっている辺)の部分に、下側から2センチメートル毎に印をつけ、底辺に平行な線を引きます。折ってわっかになっているたての線から5ミリメートルのところまで平行線を引いて下さい。引いた線の通りにはさみを使って切り目を入れます。
③枝を作ります
切り目を入れた三角形を開き、一番下の部分除をいた他の6個の端を、中央の折り筋に合わせて軽くのりで留めます。この時、葉っぱの部分がつぶれないように気を付けてください。
一番下の部分にははりつけず、たてに切れ目を入れます。
④木を立てます
一番下の部分を反対側に折り、切れ目を重ねて直角を作ります。準備しておいた直角三角形の工作用紙の裏側にはりつけると、木を立てることができます。
これで1個のパーツができました。これを4つ作りましょう。
<直角の実験をして角の描き方を知ろう>
4年生では様々な大きさの角をかく練習をしますが、大きさによってかき方のポイントがちがっているので難しいですよね。ここでは角度別にかき方を整理して、かく練習をしましょう。
<2直角まで(0度以上180度以下)の角をかく>
60度の角をかいてみましょう。60度は0度から2直角(0度から180度)の間の大きさの角です。
①2直角を調べます
木のパーツを2つ並べると土台が2直角になります。どのような角度になりましたか? 180度になりますから2つの土台は直線を作りましたね。
②60度をかきます
かきたい角の向きによって、分度器の内側の目盛を読むのか外側の目盛を読むのかを判断します。60度をかいてみましょう。
<2直角から3直角(180度より大きく270度以下)の角をかく>
220度の角をかいてみましょう。220度は2直角(0度から180度)の間の大きさの角です。
①3直角を調べます
木のパーツを3つ並べると3直角になります。あともう1つパーツを並べるとすき間がきれいにうまりそうですね。
②220度をかきます
まずは2直角(直線)をかいて、足りない大きさを追加します。「220-180=40」ですから、直線に40度を足せば220度をかくことができます。
<3直角から4直角(270度より大きい)の角をかく>
270度を超える角は、360度に近づいていきます。
①4直角を調べます
木のパーツを4つ並べると4直角になります。4つでぴったりとすき間がうまりました。
②320度をかきます
270度を超える大きな角は、360度からひいたほうが簡単にかけそうです。「360-320=40」ですから、360度から40度引いてかくことができます。
木のパズルはたくさん作ると森になります。直角を体験しながら森づくりを楽しんで下さいね。
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- プロフィール : 中牟田 宴子(なかむた やすこ)
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家庭教育研究家。
九州大学卒業。大学では認知心理学を専攻。
大学卒業後は大手メーカーでシステムエンジニアとしてプログラムの設計と開発を担当する。その後育児期間を経て現在は、認知心理学を基に数学と科学などのつながりを学べる「算数・数学塾」を企画運営しながら家庭教育を研究。子どもたちが不思議なものに出会って驚いたり感動したりする瞬間に立ち会えるのが幸せ。
2012年より5年間東京大学大学院工学系研究科で工学教育に関わった。
NPO法人センス・オブ・ワンダーの代表を務め、東京大学工学部や研究機関と共に子どものためのサイエンスカフェなどを企画開催。
認知心理学に基づくナカムタメソッドの研究開発を行い、算数とアート、理科などが融合したコンテンツの開発と普及を行っている。
家庭だから伸ばせる子どもの才能
「算数・数学塾」の企画・運営の中で発見したことや、二児の母として子どもを育てる上で実践してきた家庭学習のヒントとその成果などをつづったブログです。
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現在、さいたま市にて開校している「さんすう大好き!」が生まれる教室、 「算数・数学塾」のWEBサイト
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