球の性質を知ってペン立てを作ろう
球は空間のある点から同じきょりにある点の集まりです。この美しい形はどこから見ても丸い形に見えます。今回は球の性質について実験して、面白いペン立てを作りましょう。
<準備するもの>
・シダーボール(直径 約2cm) 12個
*シダー(杉などの針葉樹)でできたボールで、百円ショップやホームセンターなどで天然の防虫剤として購入できます
・工作用紙 1枚
・はさみ
・定規
・木工用ボンド
・セロハンテープ
<球について知ろう>
ボールのようにどこからみても丸い形を球といいます。球を半分に切った時の切り口は円になりますが、その円の中心、半径、直径が、球の中心、半径、直径になります。
では、球を両側からはさんだ場合、その長さ(はば)はどうなるでしょう? 球の一番長い部分、つまり直径と同じ長さになります。この性質を利用して実験をしてみましょう。
<球を並べて実験しよう>
球をたてに3個、横に4個、ぴったりの箱に入れたいと思います。箱のたての長さと横の長さはそれぞれ何センチメートルにしたらよいでしょう。今回使った球はシダーボールというもので直径は2センチメートル2ミリメートルでした。実験を始める前に、まずは球の直径をはかって確認してくださいね。
①たての長さを計算します
球をたてに3個ならべると長さは何センチメートルになるでしょう? 球の長さは直径でしたので、1個分の長さは2センチメートル2ミリメートルです。3個分では「2cm2mm+2cm2mm+2cm2mm」で6センチメートル6ミリメートルになります。もし直径が2センチメートルのようにきりがよければ「2×3」とかけ算でも計算できますね。
②横の長さを計算します
横には球を4個並べるので「2cm2mm+2cm2mm+2cm2mm+2cm2mm」で8センチメートル8ミリメートルとなります。
③わくの周りの長さを計算します
実験をするにあたって、箱ではなく工作用紙でわくを作りましょう。計算では、たては6センチメートル6ミリメートル、横は8センチメートル8ミリメートルでしたから、長方形のわく全体の長さは、たてが2つ分と横が2つ分で「6cm6mm+6cm6mm+8cm8mm+8cm8mm」となり、30センチメートル8ミリメートルとなります。
④わくを作ります
2センチメートルのはばの工作用紙を30センチメートル8ミリメートルに切ります。これを長方形に組み立てたいので、たて、横、たて、横の順で折って辺を作っていきます。はしから、6センチメートル6ミリメートル、8センチメートル8ミリメートル、6センチメートル6ミリメートル、8センチメートル8ミリメートルのところを山折りにして長方形のわくを作り、セロハンテープでとめます。
⑤実験します
長方形のわくに球を並べてみましょう。
ぴったりはまりましたね。球をまっすぐ並べた時、その長さは直径の合計になります。大成功です。
<ペン立てを作りましょう>
実験用に作ったわくを使ってペン立てを作りましょう。
①4個をはり合わせます
実験用の枠を利用して、4個を1列にはり合わせます。球が接するところに木工用ボンドをつけてとめましょう。
同じものをさらに2列分作ります。
②全てをはり合わせます
3列をそれぞれはり合わせたらできあがりです。
ペンやえんぴつをさすと不思議な角度で止まる、楽しいペン立てです。他にもいろんな形のペン立てを考えて楽しんで下さいね。
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- プロフィール : 中牟田 宴子(なかむた やすこ)
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家庭教育研究家。
九州大学卒業。大学では認知心理学を専攻。
大学卒業後は大手メーカーでシステムエンジニアとしてプログラムの設計と開発を担当する。その後育児期間を経て現在は、認知心理学を基に数学と科学などのつながりを学べる「算数・数学塾」を企画運営しながら家庭教育を研究。子どもたちが不思議なものに出会って驚いたり感動したりする瞬間に立ち会えるのが幸せ。
2012年より5年間東京大学大学院工学系研究科で工学教育に関わった。
NPO法人センス・オブ・ワンダーの代表を務め、東京大学工学部や研究機関と共に子どものためのサイエンスカフェなどを企画開催。
認知心理学に基づくナカムタメソッドの研究開発を行い、算数とアート、理科などが融合したコンテンツの開発と普及を行っている。
家庭だから伸ばせる子どもの才能
「算数・数学塾」の企画・運営の中で発見したことや、二児の母として子どもを育てる上で実践してきた家庭学習のヒントとその成果などをつづったブログです。
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現在、さいたま市にて開校している「さんすう大好き!」が生まれる教室、 「算数・数学塾」のWEBサイト
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