直角三角形の拡大図を描いてブックエンドを作ろう
5年生の算数では拡大図と縮図を学びます。今回は、三平方の定理というおもしろい定理も学んで直角三角形の拡大図を描き、机に置くと便利なブックエンドを作ります。ブックエンドとは、並べた本の両側か片側に置いて、本が倒れないようにするものです。
<準備するもの>
・工作用紙 1枚
・折り紙 3枚以上
・えんぴつ
・はさみ
・のり
・木工用ボンド
・定規
・カッターナイフ
<直角三角形の辺の長さの関係>
直角三角形の3つの辺の長さには、おもしろい関係があることを知っていますか? くわしくは中学校で学習しますが、直角三角形の辺どうしの関係を表すものを、三平方の定理といいます。三平方の定理によると、直角三角形の直角をはさむ2つの辺の長さをそれぞれ二乗(その数を2回かけること)したものをたすと、残りの1辺の長さを二乗したものと等しくなります。
<計算してみよう>
直角をはさむ辺がそれぞれ、3センチメートル、4センチメートルの直角三角形があります。この時、残りの辺の長さは何センチメートルになるのか、三平方の定理を使って計算してみましょう。
まず、直角をはさむ2つの辺の二乗をたしてみます。「3×3+4×4=25」で25センチメートルということがわかりました。残りの1つの辺の長さは二乗して25になる数ですから、答えは5センチメートルになります。
実際にこの直角三角形を描いて調べてみると計算通りになることがわかります。
<三角形を拡大しよう>
ブックエンドは、横から見た形が直角三角形になります。一番上の写真のようなブックエンドを作りたいのですが、直角三角形の辺の長さが、3センチメートル、4センチメートル、5センチメートルでは本を立てるのには小さすぎるようです。ですがこの形は変えたくないので、まずはこの三角形の形は変えずに2倍の拡大図を描いてみて、本を立てるのにちょうどよいか調べてみたいと思います。
三角形の描き方は3通りありますが、ここではそのうちの1つの、2辺とその間の角に注目して描きます。もとの三角形について、直角をはさむ辺はそれぞれ、3センチメートルと4センチメートルでした。それぞれを2倍にすると、6センチメートルと8センチメートルになります。直角をはさむように6センチメートルと8センチメートルの辺を描き、残りの辺を描くと、残りの辺は10センチメートルになりました。
残りの辺ももとの三角形の2倍になっていますね。これで、もとの三角形と同じ形で2倍の拡大図が描けました。大きさもちょうどよいようですので、この直角三角形を参考にしてブックエンドを作ることにしましょう。
<ブックエンドを作ろう>
①部品を切り取ります
工作用紙を写真のように切り取ります。
上の部品の紫色のたて線の部分にはカッターナイフで軽く折りすじを入れ、折り曲げやすいようにします。上の部品は三角形を作るもので、右はしの部分はのりしろになります。下の部品は土台になります。
*カッターナイフはおうちの方と一緒に使ってください
②折り紙をはります
好きな色の折り紙をのりではりましょう。部品全体に巻くようにはると仕上がりがきれいになります。さらに絵を描いたり、切り絵をかぶせるようにはってもおもしろいものができますよ。
③三角形を作ります
折りすじを入れたところで折って、のりしろに木工用ボンドをつけ、写真のように直角三角形を作ります。
④土台にはりつけます
木工用ボンドで直角三角形を土台にはりつけたら完成です。
ブックエンドの使い方は、壁とブックエンドの間に本をはさむ方法と、両側にブックエンドをおく方法があります。本が重くてブックエンドが支えきれない場合は、ブックエンドの数を増やしてみてください。教科書などを立てるのに使うと便利ですよ。
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- プロフィール : 中牟田 宴子(なかむた やすこ)
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家庭教育研究家。
九州大学卒業。大学では認知心理学を専攻。
大学卒業後は大手メーカーでシステムエンジニアとしてプログラムの設計と開発を担当する。その後育児期間を経て現在は、認知心理学を基に数学と科学などのつながりを学べる「算数・数学塾」を企画運営しながら家庭教育を研究。子どもたちが不思議なものに出会って驚いたり感動したりする瞬間に立ち会えるのが幸せ。
2012年より5年間東京大学大学院工学系研究科で工学教育に関わった。
NPO法人センス・オブ・ワンダーの代表を務め、東京大学工学部や研究機関と共に子どものためのサイエンスカフェなどを企画開催。
認知心理学に基づくナカムタメソッドの研究開発を行い、算数とアート、理科などが融合したコンテンツの開発と普及を行っている。
家庭だから伸ばせる子どもの才能
「算数・数学塾」の企画・運営の中で発見したことや、二児の母として子どもを育てる上で実践してきた家庭学習のヒントとその成果などをつづったブログです。
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現在、さいたま市にて開校している「さんすう大好き!」が生まれる教室、 「算数・数学塾」のWEBサイト
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