





公約数の実験をして自分だけのクリアファイルを作ろう
公約数とは、0より大きい2つ以上の整数に共通な約数です。でも公約数をどのような時に使うのかと聞かれると、ちょっと考えてしまうかもしれません。今回は公約数の実験をして、自分だけのクリアファイルを作ります。
<準備するもの>
・透明のクリアファイル(A4) 1枚
・色画用紙(21㎝×30㎝) 1枚
・折り紙(1辺が15㎝のもの) 3枚
・マスキングテープ
・定規
・のり
・はさみ
<正方形の大きさを決めよう>
準備した色画用紙は、たてが21センチメートル、横が30センチメートルになっています。これを台紙にして、同じ大きさの正方形でしきつめ、クリアファイルをかざりたいと思います。1辺が何センチメートルの正方形であればしきつめることができるでしょうか?

台紙の辺の長さは21センチメートルと30センチメートルです。正方形はたての長さも横の長さも同じですから、台紙のたての長さも横の長さもわりきれる数を、正方形の1辺の長さにしなくてはなりません。
ここで公約数が役に立ちます。21の約数は、1、3、7、21です。30の約数は、1、3、5、6、10、30です。つまり21と30の1以外の公約数は3になります。これは、1辺が3センチメートルの正方形であれば、たても横もすきまなくしきつめられることを意味しています。
もし公約数を考えずに、21の約数の7センチメートルを1辺とする正方形を使ったとします。これで台紙をしきつめたらどのようになるでしょう。たては「21÷7=3」で、3枚ならべるとぴったりとしきつめられます。ところが横は「30÷7=4あまり2」となって、4枚ならべても2センチメートルのすき間が空いてしまいますね。
<クリアファイルを作ろう>
①必要な正方形の枚数を調べます
公約数を使って、1辺が3センチメートルの正方形を使えばよいことが分かりました。台紙をしきつめるために何枚必要でしょうか。たてには「21÷3=7」で7枚並べることができます。横には「30÷3=10」で10枚並べることができます。しきつめるための正方形は「7×10=70」で70枚必要なことがわかります。
②正方形を切ります
折り紙から1辺が3センチメートルの正方形を切ります。1辺が15センチメートルの折り紙からは、「15÷3=5」で、たて、横それぞれ5枚の正方形を切り取ることができます。折り紙1枚からは「5×5=25」で、25枚の正方形が切り取れます。
必要な枚数は70枚でしたので、「70÷25=2あまり20」で、折り紙が3枚あれば足りそうですね。3枚の折り紙を使って、正方形を70枚切り取って下さい。
③正方形を貼って実験します
計算した通りにしきつめられるかどうか、台紙に正方形を貼って実験をしましょう。となりの正方形とすき間があくと、実験がうまくできませんのですき間が空かないように貼ってください。台紙をしきつめられましたか?

④台紙をクリアファイルに取り付けます
正方形を貼った面が見えるように、セロハンテープでふちを貼り付けながら台紙をクリアファイルに固定します。
⑤クリアファイルのふちをかざります
マスキングテープで、クリアファイルのふちを好きなようにかざりましょう。

自分だけのクリアファイルはできましたか? このように公約数は、長方形を正方形でしきつめる時にも使うことができます。他にもどのような時に公約数が必要なのか考えてみて下さい。
【ご利用にあたって】
・本コラムの著作権は筆者である中牟田宴子が有しています。
・本コラムで紹介している工作、実験などはご家庭での学習を目的とした利用に限定しています。
・商用、非商用(商業的サービスや商品の提供・宣伝・集客を目的とせず、同時に、どのような形であれ対価の支払いを受けない場)を問わず、ご家庭以外(保育園、幼稚園、塾等)での利用は禁止しています。
・幼稚園や小学校など(学校教育法の第一章第一条で規定される学校・いわゆる一条校)や、保育園、児童館、公設または父母会設置の学童保育、公民館、図書館での知育・学習・教育活動、および授業や宿題、自習や補習の教材などとしての利用はできません。
当サイトの利用ポリシーもあわせてご確認ください。
https://find.naninaru.net/policy/site/

- プロフィール : 中牟田 宴子(なかむた やすこ)
-
家庭教育研究家。
九州大学卒業。大学では認知心理学を専攻。
大学卒業後は大手メーカーでシステムエンジニアとしてプログラムの設計と開発を担当する。その後育児期間を経て現在は、認知心理学を基に数学と科学などのつながりを学べる「算数・数学塾」を企画運営しながら家庭教育を研究。子どもたちが不思議なものに出会って驚いたり感動したりする瞬間に立ち会えるのが幸せ。
2012年より5年間東京大学大学院工学系研究科で工学教育に関わった。
NPO法人センス・オブ・ワンダーの代表を務め、東京大学工学部や研究機関と共に子どものためのサイエンスカフェなどを企画開催。
認知心理学に基づくナカムタメソッドの研究開発を行い、算数とアート、理科などが融合したコンテンツの開発と普及を行っている。
Instagram
https://www.instagram.com/oyako_de_sansu?igsh=MWpzNmYwNGtjOXF4Yg%3D%3D&utm_source=qr
「算数・数学塾」のWEBサイト
現在、さいたま市にて開校している「さんすう大好き!」が生まれる教室
http://sansusugaku.wixsite.com/home
「おうち算数研究所」のWEBサイト
「算数・数学塾」の企画・運営の中で発見したことや、二児の母として子どもを育てる上で実践してきた家庭学習のヒントとその成果をお伝えする講座。
https://www.homeedulab.com/

