倍をつないでサンキャッチャーを作ろう
倍は、割合や比例と同じように数と数の関係を表すものです。ある数を2倍、3倍、4倍して計算結果をつないでいくと比例の関係が見えてきます。今回は倍と比例の関係が見えるサンキャッチャーを作りましょう。
<準備するもの>
・透き通ったビーズ(直径7㎜程度) 30個
・透明のテグスまたはゴムテグス 32㎝ 5本
・ストロー 6㎝ 1本
・折り紙 6㎝×4㎝
・ひも(サンキャッチャーをつり下げる用) 適量
・定規
・木工用ボンド
・はさみ
<倍をつないでみよう>
今回使うビーズの直径は7ミリメートルです。ビーズを2個、4個、6個...とつなぐと何ミリメートルになるか計算してみましょう。
個数(個) |
2 |
4 |
6 |
8 |
10 |
... |
長さ(mm) |
14 |
28 |
42 |
56 |
70 |
... |
長さ÷個数 |
7 |
7 |
7 |
7 |
7 |
... |
この表を見ると、前回の比例の表に似ていますね。ビーズの数が2倍、3倍...となると、長さも2倍、3倍...となっていることがわかります。倍をつないでいくと比例の関係になるのです。
さらに「長さ÷個数」を計算すると比例で使う「決まった数」がわかります。今回は「決まった数」は7になりましたが、この7とは何でしょう? ビーズ1個の長さですね。このように、工作をしながら、倍や比例に出てくる式の意味を確認することができます。また、8ミリメートル、10ミリメートルのビーズを使っても、このように作る前に計算することでできあがりの長さを調べたり調整することができます。
<計算結果を確かめよう>
実際にビーズを並べて計算結果を確かめてみましょう。結果は写真のようになりました。
実際に長さを測ると、計算した長さと実際のビーズの長さがぴたりと合うことがわかります。写真は比例のグラフのようにも見えますね。このようにビーズを並べた形は、倍をつないだ結果の連続で、比例の関係そのものなのです。
<サンキャッチャーを作ろう>
きれいなビーズを使ってサンキャッチャーを作りましょう。サンキャッチャーとは、その名前の通り、太陽の光を美しくとらえる飾りです。
①ビーズをテグスに通す
それぞれ違う数のビーズをつないだものを5本作ります。ビーズの数はさきほど長さを計算して表にした、2個、4個、6個、8個、10個です。テグスの中央に最初の1個を通し、両端から伸びているテグスをまとめて残りのビーズに通していきます。
最後の1個は、片方のテグスを2回通してずれにくくしておきます。
②つり下げる準備をする
最後に通したビーズのすぐ上と、そこから3センチメートルのところを玉結びしておきます。余ったテグスは結び目から5ミリメートルほど残して切っておきます。後で、この結び目と結び目の間につり下げ用の棒をひっかけます。
③つり下げ用の棒を作る
6センチメートルに切ったストローに、好きな色や模様の折り紙を巻いてのりでとめます。ストローのかわりに、小枝やわりばしを切ったものなどを使ってもおもしろいデザインになります。
④つり下げる
結び目と結び目の間にできた3センチメートルの輪に、つり下げ用の棒を通します。均等に並べたら、ひっかけたテグスを木工用ボンドでつり下げ用の棒にとめます。最後に、ストローにひもを通して輪にして適当な長さで結んだら完成です。
晴れた日に、美しいサンキャッチャーの光を見ながら、倍と比例の関係を思い出して下さいね。
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- プロフィール : 中牟田 宴子(なかむた やすこ)
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家庭教育研究家。
九州大学卒業。大学では認知心理学を専攻。
大学卒業後は大手メーカーでシステムエンジニアとしてプログラムの設計と開発を担当する。その後育児期間を経て現在は、認知心理学を基に数学と科学などのつながりを学べる「算数・数学塾」を企画運営しながら家庭教育を研究。子どもたちが不思議なものに出会って驚いたり感動したりする瞬間に立ち会えるのが幸せ。
2012年より5年間東京大学大学院工学系研究科で工学教育に関わった。
NPO法人センス・オブ・ワンダーの代表を務め、東京大学工学部や研究機関と共に子どものためのサイエンスカフェなどを企画開催。
認知心理学に基づくナカムタメソッドの研究開発を行い、算数とアート、理科などが融合したコンテンツの開発と普及を行っている。
家庭だから伸ばせる子どもの才能
「算数・数学塾」の企画・運営の中で発見したことや、二児の母として子どもを育てる上で実践してきた家庭学習のヒントとその成果などをつづったブログです。
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現在、さいたま市にて開校している「さんすう大好き!」が生まれる教室、 「算数・数学塾」のWEBサイト
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