保護者のお悩み相談(2)-「好きなこと」がないわが子 進路選びをどうサポートしたらいい?
お子さんの将来に直結する進路選び。
大切な選択だからこそ、進路選びのサポートについて、悩んだことのある保護者の方も多いのではないでしょうか。
今月のテーマは、
"「興味があること」「好きなこと」がない"というお子さんへの対応についてです。
まず、保護者の方の声をご紹介します。
「中学2年生の娘は、いつも友だちと遊んでばかりで、
進路のことを考えているように見えません。
好きなことを聞いても『好きなことがない』『わからない』と言うので、
どのようにサポートすれば良いかわからずにいます。
英語や絵など、将来につながるような『好き』が一つでもあれば良いのですが、
私自身も、娘が夢中になるほど好きなことがあるようには見えません。
どのように娘の進路選びをサポートすれば良いのでしょうか。」
『好きなことがない』『わからない』とはっきり言われてしまうと、
そこからどのようにアドバイスをすれば良いのか、
好きなことが見つかるまで待つことしかできないのか等と困ってしまいますよね。
進学先や将来のお仕事選択にもつながっていく
お子さんの興味を一緒に探究するために
保護者の方にも取り入れられるポイントをご紹介します。
子どもが「時間」と「お金」をかけているものに目を向ける
お子さんは"本当に"好きなことがないのでしょうか。
そんなとき、保護者の立場として、
どんな心持ちでいることが大切なのでしょうか。
みなさんは「好きなこと」と聞いたとき、
どんなイメージを思い浮かべますか。
・理科が好き
・料理が好き
・野球が好き
・プログラミングが好き
教科や習い事など、
進路や仕事につながるような「好きなこと」を思い浮かべるかもしれません。
これらの「好きなこと」は、想像しやすいですね。
しかし、日常生活のもっと小さな行動の中にも「好きなこと」が隠れていることがあります。
それを見つける視点の一つが「時間」や「お金」をかけているものです。
例えば、このような具体例があります。
「時間」をかけているもの
・じっくり洋服のコーディネートを考えている
・毎週欠かさず見ている番組がある
・毎日ペットの散歩をしている
「お金」をかけているもの
・同じ作家の本を集めている
・同じアーティストのDVDを集めている
・メイク道具を集めている
お子さんは、日頃どのようなことに「時間」や「お金」を使っていますか。
進路や仕事を選ぶ上で、
大切にしたいこだわりや、生かせる興味・強みが
日常の小さな行動から見えてくることがあります。
好奇心の「なぜ?」で、子どもを見る角度を変える
「なぜ、そんな本ばかり読むの?」
「なぜ、ゲームばかりしているの?」
このようにお子さんの好み・気持ちが理解できなくて、苛立つこともあるかもしれません。
しかし、その理解し難い「なぜ?」という気持ちを、好奇心の「なぜ?」に変えてみるのはいかがでしょう。
例えば、
「なぜ、その本に興味を持っているのだろう?この子にとって、どんな部分が魅力的なのだろう?」
「ゲームに惹かれる理由は何なんだろう?」
このような好奇心の視点から、お子さんを観察してみてほしいのです。
好奇心を持つことで、お子さんへ問いかけるきっかけが生まれ、
お子さんの新たな一面を発見することにつながるからです。
日常生活の中で生まれる小さな「好き」という気持ちを
どのように進路に活かしていくことができそうか
ぜひお子さんと話し合ってみてほしいと思います。
「好き」という気持ちは、進路選びをする上で重要な材料になります。
今回の内容が、少しでもお子さんの進路選びをサポートする際に
役立つことができましたら幸いです。
もしもお困りのことがありましたら、
コーチングセッションを通して、お手伝いをさせていただければと思います。
- プロフィール : 加藤 小百合(かとう さゆり)
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国家資格キャリアコンサルタント。同志社大学 文学部 英文学科 卒業。10代の頃、親や周りの大人の想いに応えたいと思う一方で、自分の進路や人間関係に対して、大切にしたいことに迷い、悩み、葛藤していた。大学卒業後、教育業界に就職し、延べ3000人以上の中高生の進路カウンセリングの支援を経験する。現在は、10代の子を持つ親御さんたちが、進学・就職・人間関係に悩む我が子への想いを一人で抱えず、自分自身を責めることなく、誰かに素直な心で話せる機会、そして、親子間での理解をあきらめずに、より良い親子のコミュニケーションのあり方を追求していく機会を実現するために、コーチングを行っている。また、10代の進路選択をサポートしている。
- オフィシャルWebサイト
- https://career-design-lab.net/